電話の主はもちろんオーシャン21師。切迫した声で『ウナギだと思うんですが、大物らしくて上がらないので来てもらえませんか!』とおっしゃる。
竿を放り出し、手網を持ってフェンスを乗り越えるのももどかしく駆けつけて海を覗くと馬鹿でかいチヌだった。
堤防の壁にピタリと寄せられたチヌは、リール&竿の力と魚の重さが吊り合って壁に張りついた状態で動かなくなっていて、それ以上巻き上げることも緩めて泳がすことも出来なくなっていたのだった。
空気を吸わされたチヌは手網を入れても暴れることなくおとなしかったが、壁から剥がすのに苦労した。
この時点では推定40cm。丸々と肥えた見事なキビレである。取り合えず携帯やら時計を並べて写真を撮る。
翌日,師のお宅を訪ね、改めて記念の写真を撮ってから3枚に下ろし、師と一緒に頂いた。
42cmのチヌは車椅子の釣人,オーシャン21師の復活を祝す記念の釣魚となった。その場面に立ち会えたことは無上の喜びである。