さらに直上を続け、周囲の樹高が幾分低くなって明るさを増してくる辺りで、凍裂と思われる幹に上から下までまっすぐ裂け目の入った木を見る。足元にはオオサクラソウ。
11:50,大きめの雪田で先行する3女性が休んでいたが、湿気っぽいと言うのでその雪田を通り過ぎたところで最後の休憩5分。その間に女性達は先に行く。11:58,ヒュッテまで900mを残す2500m地点を通過。稜線間近となり、ダケカンバの背丈も低くなって全体像を現した常念岳はすっかり遠くなっていた。
この辺りは蝶の雪形の中と思われ小さな雪のかけらをいくつも踏んで行く。雪が融けたばかりの所では、ヤグルマソウやユキザサ等の新芽が顔を覗かせている。
12:20,大滝山への分岐点を通過してひと登りで稜線に出ると視界がバッと開け、蝶のヒュッテの向こうに常念岳と大天井岳の連なりが飛び込んで来る。