遊びと学び,創造の基地・山のあしおと小学校

冒険,遊び,仕事,学習,生活全般を学ぶ、子ども達のための私設小学校

闇と光と生き物と

2012-07-30 20:17:48 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 ボンファイアー/集う


大町温泉郷の宿泊客対象の親子ナイトハイキング
  ~初めての試みに 5家族15名の親子が参加~

 第1部 ナイトトラップ

 ナイトトラップにはカナブンとザトウムシ
 東屋の柱にはカマドウマ
 初めて見た~と言う子ども達



 第2部 明かりのない林を歩く

 闇に潜む生き物たちの息遣い
 乾いた空気の匂い
 足裏にふかふかの落ち葉や木の根っこ
 ちょっとした窪みや石ころさえもが 
 色んなことを語りかけて来る
 そんな感じ

 すがりつく子らの
 汗ばんだ手
 暗闇の中でこそ
 自然を畏怖し
 他人を頼り 
 謙虚な己を見出す



 迎え火/


 第3部 鹿島川の河原にて

 林を抜けて河原に降りる
 白樺の皮を燃やして火を見つめ
 それぞれの1日に思いを馳せる。
 中州にファイアーの炎が上がると
 誰もが火の傍に集まり 輪ができる。
 黙っていても通い合うものがある・・
 そんなひととき。

 闇は人々をつなぎ 心を開かせる
 火は心を惹きつけ 心をつなぐ

黒沢尾根ガイド

2012-01-31 02:18:54 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 一歩一歩踏みしめて・・/1599mピークに勢揃い!



 大町市内の観光ホテルからの依頼で、2女性(スノーシュー体験1回)の黒沢尾根ワカンハイキングに同行案内する。

 同日程でスノーシューハイキングのガイド講習が行われており、ほぼ同一行動となるが、スノーシューとわかん歩行との違いもハッキリ出て、その意味ではいい研修にもなった。



 リフトが動かない~男ども10人余で除雪機を移動!/ワカンをつけて・・


 サンアルピナ鹿島槍スキー場のメインリフトを上がって、第10リフトまで行ってみるとリフトが動いていない。
 係員と話しているうちに、故障した除雪機がリフトの邪魔になって運転できないと言うことが分かり、参加者の男達で動かそうではないか~と言うことになった。
 で、前側に両サイドにスノーダンプをかまして後から押したところ何とか動かすことができ、20分ほどで運転開始となって無事,リフト終点に着く。
 色んなことがあるものだ・・。



 目指す1599mピーク(左上端)に向かう/やったネ!  



 結果は写真の通り!
 よく晴れた日ではあったが、山は貌を出さず終いの日でもあった。
 今日もカモシカに逢えた。


 以下,詳細別途。

数万のヒツジ もしくわ カモシカ in 森くら

2012-01-27 10:45:40 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 冬芽と葉痕~サワグルミの幼木/頭に冠を戴く 


 雪道を歩いて 森くらへ 冬芽 葉痕を見に行く
 葉痕の中で一番目だって おもしろいのは
 ヒツジ もしくわ カモシカの顔
 樹種は 多分サワグルミだろう
 森くらには数万頭のヒツジ or カモシカがいる



 ハンノキの実/小さな種がいっぱい


 ヤシャブシの実を揺すると
 パラパラと種が落ちる
 森のネズミや小鳥たちは
 こんな小さな種を食べて
 生きているのだろう



 エゴノキの実




 カエデの実/クマシデ?




 枯れ草・草の実達 




 落葉に失敗した木の葉/折(ら)れて枯れた葉




 タニウツギ



   




熊棚&熊の爪痕

2012-01-18 11:51:30 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 熊棚

 黒沢尾根で見つけた熊棚と熊の爪痕~1つのブナの木の4つもの熊棚があった。

 熊は木の上で手の届く範囲の枝を引き寄せて実を貪り食うが、サルが熟した実から食べるのに対して熊は熟して落ちる前に食べる。それは熟して地上に落ちたものを拾って食べるより効率がいいからであるが、その際,何故か熊は引き寄せた枝を尻に敷くと言うことをよくやる。



 爪痕


 広葉樹は本来なら葉を落として冬に備えるが、黄葉~落葉の過程を経る前に折られた枝の葉は老成して落葉することができず、枝についたまま残っているので熊の仕業がよく目立つのだ。



 滑った跡もある


 その熊棚がある木の根元を見ると必ず熊の爪痕がある。写真中・右は爪を滑べらせた跡と爪跡の傷。滑った跡の下の端に掘れた傷がある。
 S字状に滑った後、最後に爪を立ててブレーキをかけた部分が掘れて傷になったものと思われる 。

黒沢尾根のカモシカ

2012-01-16 21:33:27 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 発見

 第10リフトの上部から谷に向けて直に下る途中で期待した通りカモシカに遭遇。見つけたのはTomさんで、さすがカモシカ調査のヴェテランだ。



 だるまさんが転んだ式ににじる寄る  

 カモシカはこっちをじっと見ていて動く気配がない。レンズを250mmにつけ替えて間を詰める。時折首を後ろに廻して上の方を見たりするその隙に2歩,3歩トにじり寄ってさらに間合いを詰める。



 30m迄接近

 うまい具合に彼との間に立木があるのでそれを利用してさらに接近し、ついに30mまで近づいて何枚か撮った。もっと近づけるかもしれないがそこで終わりとする。
 それが礼儀と言うものだろう。

黒部のクロベ物語・2

2011-11-19 20:25:53 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 まっすぐ立つ黒部/若いブナの門番君達


 ロッジくろよん手前のキャンプ場に道標があり、平の小屋を経て五色ヶ原へ向かう道(8.8km)と黒部平駅下(1.4km)を経て東一ノ越に向かう道(4.6km)を分ける。
 黒部平への道・・,門番のような若い2本のブナの間を通リ抜けると、10分も歩かないうちにすっくと直立するクロベの大木に迎えられる。クロベは大きな岩の上で成長し、巨大な根がその岩を抱いていたり、倒木の上で成長し、その倒木が朽ちて空洞になっていたりすることが多く、このように地面から生えてまっすぐに伸びているものは珍しい。
 そこから先の道を挟んで右手にクロベ,左手にブナが対峙する道が続き、やがてクロベが優勢な尾根道に変わった辺りで奇妙な木に出くわした。



 マングローブか?/気根か・・?


 地上3m辺りの幹からタコの足のような根が出ているのだ。まるでマングローブのような根の張り方に興味を覚えて裏側に廻って見ると、枝分かれした一方が地面に潜り込んだかのように地中に根を張っている。気根と言うにはあまりにも太いし、ネズコの気根など聞いたことがない。
 一方,まっすぐな側の根元を見ると、そこにはちゃんと普通の根があって幹を支えている。
 そのクロベはチョウセンゴヨウと2本立ちで寄り添うように立っていたが、よくよく見るとたこ足のような根の下にも枯れた大木の基部があり、3本の木が絡んでこのような姿になったものと推測された。



 奇怪な瘤/むき出しの根


 そこから先は大きな岩を抱いたもの,根がむき出しになったもの,奇怪な瘤を持ったもの,大きな空洞のあるもの等々,様々に変形したクロベのオンパレードである。

 クロベを盟主とする針葉樹の森を歩き、多様な形態の成長過程を見ているうちに、クロベをめぐるもう1つの特徴とも言えるあることに気づいた。それは、1つの大岩の上でクロベとチョウセンゴヨウ,あるいはコメツガの木が2本セットで成長していることが多いと言うことだ。



 反目しあう2樹/真ん中に小樹

 
 その2本の大樹は互いに反目しあうかのように反っくり返って斜め後方に延びて行く。ために真ん中にぽっかりと空間ができ、漁夫の利の諺の如くその中央の空間に第3の木がまんまと入り込んで大きく成長していることがある。御山谷の3本立ちの場合がまさしくそれである。
 同じ場所でクロベ同士が2本立ちになっている例がないわけではないが、その場合は反目しあうと言うより寄りそう感じで並んでいることが多い。
 これをどう考えるか・・。



 クロベ同士が寄りそうのは珍しい/岩と根が融合


 異なる樹種の場合は1つの場所をめぐって激しい生存競争が繰り広げられ、互いに負けまいとして張り合った結果反っくり返って行くのではなか・・。一方が破れて枯れたり倒れているものも多く、互いに斜め後方に延びているのは痛み分けと言うところではないだろうか。そして結果的には第3の樹種に最もいい場所を取られてしまった・・,と考えてはどうだろう・・。

黒部のクロベ物語

2011-11-16 10:43:27 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 黒部湖畔・御山谷の8人クロベ/威風堂々


 11月14日(月)
 黒部湖畔遊歩道・ネイチャーガイド講習の6回目。今回はホテルや観光事業に従事する人をツァー参加者に見立てて、これまで積み重ねてきたガイド研修の成果を検証しようと言う内覧会で、いつも通りのコースを歩き、要所要所で担当者が簡潔な説明・案内を披露すると言うもの。ダムの歴史や現状について述べる人,植生や植物の分布について述べる人,針葉樹と広葉樹の相克,それぞれの戦略について述べる人,東西の文化や歴史の違いについて述べる人等々,それぞれに研鑽を積んで新しい話題や視点を提供してくれて面白かった。
 自分はただくっついて歩くだけであんまり役に立ってないが、そのうちに出番が廻ってくることだろう・・,と意に介さず。



 黒部湖はどんより~立山も見えず/メモを取る可愛い参加者,1才君・・


 参加者一行16名は扇沢駅発9:00のバスで黒部ダムへ。ダムサイトでの進行のU氏の説明の後、どんよりと曇って今にも降り出しそうな中,遊歩道に向けて出発。
 気温6℃と寒くて観光客もまばら。みんながヤッケで身を固めている中,半袖シャツ1枚で歩いているとジロジロと視線を浴びるのが少々うるさいが、堰堤の上は風があってさすがに寒かった。



 御山谷方面を望む/パンパ橋から原始の森へ


 晩秋の湖畔は、見るべきものもあまりないだろうと、新たな発見にはあまりお期待していなかったが、広葉樹が葉を落としたおかげで、後述するようにブナの純林の実態を見ることができたのが大きな収穫だった他、今年は特に多かったブナの実やチョウセンゴヨウマツの実を実際に食べて見たりしたのはいい経験だった。



 早くもオオカメノキノ冬芽/まだあったマイヅルソウの実


 ブナの実はほとんどの場合,痩せていて殻をむいても実らしい実が入っていることは稀なので実際には食べたことがない。だが今年の実は充実していて食べ応えがあり初めて旨いと思ったし、チョウセンゴヨウマツの実は殻が固くて割るのが容易でないが、そうして得られた実はまさに市販されている『松の実』そのものでこれも旨かった。
 ブナの実が数年に一度の割で大量に実をつけることによって種を維持するのに対して、チョウセンゴヨウは1つの松かさに無数の実をつけるのでなく数個の実を確実に実らせ、これを毎年繰り返すので豊作・不作の波がなく、多くはないが常に一定量の実をつけることによって種を維持する。実物を齧りながらのこれらの説明には非常に説得力があり、この分野を担当するトモさんの面目躍如と言ったところだ。


 フユノハナワラビ/ツルリンドウ

 前回(9月28日),1株だけ見られたフユノハナワラビを今回は多数見た。東京辺りでは文字通り初冬から冬にかけて見かけるので早すぎる気がして別種かと疑ったが、調べてみるとやはりフユノハナワラビに間違いなく、こちらで早いのは標高が高いせいかもしれないと不審に思っていたが、この時期ならおかしくないと思った。
 


 8人クロベの巨大さ/黒部平へ


 いつもの通り御山谷で昼食を摂った後、ロッジくろよんのキャンプ場で一行と別れて湖畔から黒部平駅までの登山道を調査すべく、1人黒部平駅に向かう。

 続く
 
 

1年生がやってきた・・・大町市・わっぱランド

2011-10-28 02:32:05 | 森のくらしの郷&ぐるったネット
                                      ドラフト会議~明日のカープ


 大町市・わっぱランド/1年生がやってきた


 わっぱランドにやってきた
 紅組さんと白組さん
 ドングリひろいの子ども達



 トモさんのお話しを聞き/ドングリを拾って・・


 森の支配人・トモさんから聞くドングリとアカネズミのお話し
 アカネズミはドングリを食べ ドングリを隠す
 隠したドングリ100個のうち アカネズミは99個を食べ
 1個を残す
 残された1個は土の中 
 すぐに根を出して 春を待つ・・

 さぁ ドングリを拾おうッ!


 さぁ ドングリを集めよう/ドングリ見つけッ!



 いっぱい集めたよ!/ミズナラの虫こぶ・・?


 わっぱランドの林には 
 サワグルミの実やひっつき虫
 ミズナラの虫こぶ・・
 珍しいものがいっぱい
 子ども達には そのどれもが宝 

 ドングリを集めてリースをつくるんだって・・
 んじゃぁ いっぱい集めなくっちゃネッ


 ドングリ笛に挑戦/澄んだ音が出た



 ぬるみの流れ静かに


 子ども等を乗せたバスが去り
 ヌルミの水に青空が映えて
 わっぱランドに静けさが戻る 



 どんなリースができるのだろう



ドラフト会議~明日のカープ

黒部湖畔ネイチャーガイド講習・5

2011-09-29 02:35:50 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 ユキザサの実艶やか/8人ネズコ

 
 今年5度目の黒部湖畔ネイチャーガイド講習。前回(8月26日)からほぼ1ヶ月を経た湖畔は一段と秋色を濃くしていた。



 ツタウルシ色づく/ツルリンドウ


 ブナの大木に絡みついたツタウルシが色づき始め、ツルリンドウの実は濃い紅色に、ユキザサの透き通るような赤い実は一段と艶やかさを増していた。



 ツノハシバミ/フユノハナワラビに似るが・・・


 初夏から秋にかけて同じ場所を5回も調査するのは初めての経験だが、来る度に発見があるものだ。

 今回はツノハシバミの実と、フユノハナワラビに似たシダを見た。



 ブナ/ただ今打ち合わせ中

似たもの父娘のヤマブドウ狩り

2011-09-26 20:56:20 | 森のくらしの郷&ぐるったネット



 山ブドウ狩りに行っても これほど見事な実は滅多にあるものではない

 しかもここは熊が一番お気に入りの場所で 隣の高い木の山ブドウは全部食われている
 実がないのになぜ分かるかと言うと 毎年,同じ所で食っているし 熊に引き寄せられて折れた枝が見えるから・・
 多分この蔓は 今年が初めての実なりで、熊も気づかなかったなのだろう。





 熟した実は木を揺さぶっただけで パラパラと落ちてしまうので 熊は青いうちから貪り食う
 猿はおいしくなってから食う

 山ぶどう狩りは 熊や猿との競争になるが 今年は実りの年らしい





 それにしてもこの父娘 呼吸もピッタリで 何とよく似ていることよ!



赤い実をつけた・・・4th黒部湖畔・ネイチャーガイド研修

2011-08-26 08:22:57 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 オオカメノキの真っ赤な実 


 
 可能な限りシーズンを通して現地に通い、自然のあり様を調べる黒部湖畔ネイチャーガイド講習の4回目。

 7月3日以来の湖畔遊歩道は、ザッと見ただけでは大きな変化はないが、足元を注意深く見て歩くとそこかしこに季節の移ろいがみられた。


 ホウチャクソウの実/タケシマランの実



 ニワトコの赤い実/トチバニンジン


 ユリ科のホウチャクソウやタケシマラン,チゴユリ、ニワトコやトチバニンジンの実等々,赤い実が目立つ。



 チチタケ/イグチの仲間



 チチタケの乳/ウバノカサタケか?



 タマゴタケ/ひと足遅かった



 ムラサキシメジ?/ツルタケ?


 そしてキノコ達・・。ほとんどが?だが、チチタケやイグチの仲間をゲット。タマゴタケはひと足遅かった。


 ノリウツギ/ノコンギク



 カニコウモリ/アキノキリンソウ


 秋の花は、ノリウツギ,ノコンギク,アキノキリンソウ,カニコウモリ,ヤマハハコ,サラシナショウマ等々

                                  続く

90人の大トレッキング

2011-07-03 21:58:51 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 針ノ木岳・スバリ岳/森の支配人・トモさんが歓迎のあいさつ


 7月3日(日) 構想と準備に7年を要した『黒部湖畔・ネイチャートレッキング』が実現の運びとなり、90人の参加者が6つのグループに分かれて湖畔の道をゆったりと歩き、森の豊かさと不思議を体験した。


 今日も虹/かんぱ橋を行く

 この日の立山は、山頂付近に雲がかかるもまずまずの天候で、ダム放水から水が吹き上げる霧を背に今日も虹がかかる。
 
 かんぱ橋を渡ると森の様相が一変し、ブナやダケカンバ,ウダイカンバ,サワグルミ等の大木が繁茂するしっとりとした道となる。


 ツルアジサイが咲いた/雪圧を受けたウダイカンバ



 マイヅルソウの実/足元にはギンリョウソウ


 この日に合わせたようにツルアジサイが咲いた。頭だけ見えていたギンリョウソウがニョキッと顔をだし、可憐な花を咲かせていたマイヅルソウに、いつの間にか実がついていた。


 コメツガの新芽/チョウセンゴヨウマツの実



 ミゾホウズキ/コケイラン

 森の奥でチョウセンゴヨウの松ぼっくりを拾う。1つの松ぼっくりに数個だけ松の実がついている不思議,大きな岩の上にネズコの大木がある不思議,
 コメツガの新芽の浅緑,ミヤマカラマツの繊細な白,ミゾホオズキの明快な黄色,コケイランの控えめな美しさ・・,

 たくさんの不思議と豊かさを垣間見て、ちょっと物足りないくらいの行程を終える。


 針ノ木岳,スバリ岳をバックに/子ども達もしっかり歩いた



今日の黒部

2011-07-03 01:32:20 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 立山方面は晴れ/放水の虹


 7月2日,暑い夏を迎えた黒部ダム。登山者の姿こそ少ないものの観光客の出足は上々で、立山方面も晴れ、ダムからの豪快な放水を覗き込む人達から歓声が上がっていた。



 夏雲湧く/見上げるブナ

 3回目の黒部湖畔ネイチャーガイド講座は、明日(3日),90名の参加者を迎えてガイドを行うに当たってのシュミレーション。
 ガイドの神髄は『説明』することではなく、『感じてもらう』こと。言葉を発しなくても満足してもらうのが最高のガイドなのだそうだが・・,
 果たして如何!?


 〇〇〇ラン/ミヤマカラマツ

黒部湖畔の自然~植生

2011-06-14 08:37:07 | 森のくらしの郷&ぐるったネット

 皮だけで立っているブナ/クロベの巨木


 四ダム・原始の森ネイチャーツアーガイド養成研修

 黒部渓谷の植生は、西の立山側の斜面と東の後立山連峰側の斜面で大きく異なり、その大きな要因として積雪量の多少と融雪期の長短を上げることが出来る。
 冬期,日本海から運ばれてきた大量の雪は、立山連峰の後に当たる黒部渓谷側に大きく溜まり、氷河となって山肌を削った結果、立山・薬師岳周辺の黒部渓谷側にはカール(圏谷)が形成されている。
 このような多雪地帯では、積雪の重みでも折れないアオノツガザクラ,ヤマハンノキ,ダケカンバ等の植物が群落を形成する。


 左岸(立山側)の混交林/右岸(後立山連峰側)の針葉樹群

 一方,後立山連峰では、冬期,強い寒風に吹きさらされるため、それに耐えるオオシラビソ,ネズコ(クロベ),ツガ等の常緑針葉樹林が山腹に形成されており、その山稜にはコマクサ,ウルップソウ,ユキワリシオガマ,オヤマノエンドウ等,寒冷砂礫原に生える植物が分布している。
 簡単に言うと、四ダムから見て立山側斜面が混交林であるのに対して、後立山側は殆どが針葉樹林である。
 特に黒四ダム湖畔の遊歩道のある斜面は、ブナを主体とする広葉樹にネズコやコメツガ,ヒメコマツ等の針葉樹が交じる豊かな混交林で、ブナの純林が極相林をなしているところもある。


 ブナの純林/

 黒四ダムを訪れる人々にダムの威容と景観に加えて原始の森の素晴らしさを知ってもらうために行ってきたこのガイド研修は、今後も定期的に継続され、また教本や資料集も作成されることになっている。


 工事跡を望む(白立山側・10tクレーン車のレール跡)/同・立山側(20tクレーン車)

 扇沢発9:00のトロリーバスで四ダムへ。9:15着,堰堤でミーティングした後、ダムの成り立ちや工事の様子等の説明を受ける。
 ダムの両端の岩壁に取りつけられた構造物は大型クレーン車を据え付けるためのもので、左岸に20tクレーン,右岸に10tクレーンを置き、両者間を直径10cmのワイヤーで結んで9㎥の生コンクリートが入るバケットを吊るし、移動しながら巨大なダム壁を築き上げたのだそうだ。
 展望台の左下のある丸い建物がセメントと砂利・砕石を混ぜてコンクリートをつくった巨大ミキサーで、砂利や砕石は扇沢からベルトコンベアでトンネル内を運ばれたと言う。


 崩れた上までが本来の植生/工事後,パイオニア植物が侵入

 工事による植生の変化/かんば谷・吊り橋

 堰堤を渡ってトンネルに入り、途中で黒部湖駅への道を見送ってトンネルを出ると湖畔の遊歩道につながる。
 20分でかんば谷のつり橋に到達するが、この辺りまでは工事の影響で植生が変わり、ヤナギ等のパイオニア植物やカラマツなどが見られ、本来の植生(上の写真の崩れている辺りまで)とは異なっている変わっている。


 ? 何とかエビネ/アオダイショウがいた/その傍にコイワカガミ


 かんば谷を越えるとそこから先はわずかに遊歩道が設けられているほかは手つかずの自然林となる。