私がクマタカを見たのは福島の川俣町だった。

私がクマタカを見たのはいつのことだったろうか。福島に住まいしていたころ、仕事で川俣町に行った。川俣町はその名の通り、街の中央を広瀬川が流れている。山の中の川である両岸は大きな木々が茂っている。川は森の中で唯一、開けた場所である。そこに、大きなクマタカがいたのである。車に乗る私はゆっくりとクマタカに近づいた。クマタカは恐れることを知らず悠然とあたりを睥睨している。金属的な動きが他の鳥類とは全く違う。クマタカはノウサギやヘビ、ヤマドリなど小動物を餌にする。現在、植林された奥山は樹種が単調で小動物が少なく、密に茂ってクマタカが狩りをする空間も少ない。一方、人間の住む空間には開けた草原も多く、クマタカが餌を求めやすい。ということで、近頃、木曽谷などでは奥山よりも人里に近い場所でクマタカを目撃することが多くなったニュース記事があった。（くちなし亭、2023.07.02）

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