マスク氏がトランプ氏に乗り変えた最大の理由

なぜ、イーロン・マスク氏は民主党支持から共和党トランプ支持へと変えたのか。多くのテック企業が今回の大統領選に中立を維持している中で異常である。マスク氏がトランプ氏に個人的な共鳴を持っているとは思えないのである。言わずと知れたイーロン・マスク氏はアメリカのEVメーカーテスラの創業オーナーである。EVについてはこれまで民主党バイデン政権は補助金を出し、その振興策を打ち出してきた。一方、トランプ氏や副大統領候補のヴァンス氏は補助金の打ち切りなどを提唱している。さらに、中国製のEVに対しては100%関税なども公言している。では、マスク氏は中国製のEVの脅威に対抗するために、トランプ氏支持に回ったのか。だが、アメリカでのEV市場で、テスラの脅威は中国製のEVではない。アメリカ政府の補助金で潤う米フォード・モーターやリヴィアン・オートモーティブなどなのである。テスラはこれらのメーカーの攻勢で、シェアを落としている。もし、連邦政府が補助金を打ち切れば、EVで先行していたテスラも多少の損害を受けるかもしれないが、よりダメージを受けるのは後発の米フォード・モーターやリヴィアン・オートモーティブなどになるのです。それは壊滅的かもしれません。だから、イーロン・マスク氏がトランプ氏に乗り変えた最大の理由がそこにあるかもしれないのです。（くちなし亭、2024.07.28）

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