今年は選挙の年である。東京では小池都知事が予想通り、３選を果たしたのだが、巷では、蓮舫氏が石丸氏に逆転され、３位になったことが大きく報じられている。それはさておき、私の関心はフランスの総選挙である。第１回投票では右派の国民連合（RN）が圧倒的な票を獲得したのだが、第２回投票ではどうなったのだろうか。実は第１回投票と第２回投票の間では大きな違いがある。第２回投票は決選投票なので、多くの地区では第１回投票で１位を獲得したRN の候補者対２位になった左派系、あるいは与党の中道系候補者の対決になったと思われる。当然、２位と落選した３位候補者との間で、選挙協力が結ばれる。名目もある。RNは極右と決めつけられているからだ。こうして、第２回投票が行われ、第１党には左派系グループが、第２党には与党中道系がなり、RNは第３勢力になった。民主主義の原則で、多数の原理は確かに、そこにはあるのだが、これによって成立した政権はたぶん、左派と中道のより集まりで、意見は割れる。混沌とした政治情勢がしばらく続くことになる。（くちなし亭、2024.07.08）
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