このようなこともあるだろうと思われる事件であった。台湾の大地震の後のことである。2024年4月3日午の朝に台湾東部沖で発生したマグニチュード7.2の地震で、震源に近い花蓮県の建物や橋が倒壊し、死者やケガ人が出るなどの被害が出たあの地震である。ある倒壊寸前のビルに猫が５匹逃げ込んだ。逃げ込んだのか、それとも、もともと、そのビルに住んでいたのかは分からない。少なくとも、彼らにとっては、良い遊び場である。遊びを邪魔する人間はやってこないのである。だが、彼らの楽園も終わる。彼らの前にビルの取り壊し作業員たちが現れたのである。ビルの取り壊し作業は、彼らのために、たびたび、中断する。作業員たちは必死に、猫を捕まえようとする。彼らがいては作業が進まないのである。新聞は彼らの捕獲を救出と書く。確かに、倒壊ビルから出られない彼らをそのままにしておけば、いつ、ビルが倒壊して、彼らが命を失うかもしれないのである。最後の猫、Ouniは彼なりに、必死に逃げ回り、最後はビル脇の路地に出てきたところを無事、救出された。こうして、猫の人間の追いかっけこは一大騒動に発展したのです。もちろん人間だった美談ですが、なんと猫もまた美談として報道されたそうです。（くちなし亭、2024.07.10）
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