ブエノスアイレスでG20(20か国・地域首脳会議)に合わせて、幾つかの重要な会議が行われている。その一つが新NAFTと言われる「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)」で、3カ国の首脳が調印したことであろう。発効には、各国の議会の批准が必要になる。さらに言えば、2020年から3年かけて順次、新しい制度に変わっていくので、多少、猶予はある。だが、メキシコに工場を持つ企業がおいそれとアメリカに移転できない。標的になっているのは自動車だが、域内で生産された部品の割合いが75%以上にしなければ、高関税がかけられる。さらに自動車部品の40~45%を時給16ドル(約1800円)以上の地域で生産しなければならないなどの規定を導入した。つまり、最初の75%以上の規定は日本の国内に工場を持つ部品メーカーにとっては大打撃となりそうであるが、時給16ドル以上と言う規定は新興国に工場を移す動きを抑えるかもしれない。(12月1日)<u>Y-FP Office Japan