俄そば職人登場。

先日、友人の一人が我が家でそば打ちをした。そば打ちというのは、近年ブームになっているようで、東北や地方の道の駅などでは、その体験をさせてくれるところもあるようである。友人も、どこかで、その体験をし、思い立って、そば打ちを始めたようだ。そのそば打ちは思いのほかに広い場所が必要で、さらに言えば、粉も舞って、部屋も汚す。そこが最近では、炊飯器でも作ることもできるようになったパンとは違うところだ。だから、我が家の場合には、ベランダで作ってもらうことにした。ただし、俄そば職人としては観客も必要であろうから、顔をこちらに向けて、ガラス越しに、その雄姿を拝見することにしたのである。原材料はそば粉なので、できたものは蕎麦である。だから、それを食べた人たちの感想は「これは蕎麦だ。」というものであった。間違いないことである。さて、そば打ちの後処理で困るものがいくつかある。その中に、そばをゆでた蕎麦湯の処理である。ドロドロに溶けたそば粉などが浮遊しているので、キッチンなどに流せば、パイプを詰まらせる。それを事前に聞いていた私は、用意していたポリバケツに入れて、少しずつ、ベランダの草花に撒くことにした。２～３日が過ぎ、ポリバケツの蓋を開けて、驚いた。蕎麦湯が発酵して、たぶん、そば焼酎に変化していたのである。別の友人がそれを聞いて、酒造法違反などとわめいた。私は、ひそかに、その友人に懲罰を与えることにした。彼からもらったシクラメンには自家製そば焼酎を与えないことにしたのである。

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