7日、中部電力は三菱商事子会社のダイヤモンドパワーを買収し、東京電力管内の首都圏で電力の小売りや卸売りに参入すると発表した。これは中部電力が、三菱商事、日本製紙と共同で、静岡県富士市の日本製紙富士工場敷地内に石炭火力発電所を建設し、その余剰電力を首都圏に売り込もうとするものである。一見、現在の既存電力会社による強大なスクラムに風穴を開けるように見える。だが、この中部電力はかつて、東京都が電力の購入を申し入れた時には、拒否した会社なのである。東電とひそかに、話し合いを持ち、今、進められている電力の自由化の計画をとん挫させようとしているのかもしれないし、ダイヤモンドパワーもその一つであったのだが、PPSと呼ばれる新電力会社の、これ以上の参入や、自分たちの存立さえ危うくさせるような巨大化への道を塞ごうとするものかもしれない。事実、ダイヤモンドパワーも経営的には、伸び悩んでいたのである。この先、どれほどの時間を必要とするかは分からないが、電力供給は二分化するに違いない。大量に使う企業や商業施設は、安い電力の供給先を選び、その選択ができるようになるだろう。一方、私たちの家庭のような小規模な電力使用者は、自ら、小型の発電機を持ち、自給する道を選ぶようになるのである。それが電力の効率化というものである。
Y-FP Office Japan
Y-FP Office Japan