東京電力福島第一原発で起きた、線量計を鉛カバーで覆って被ばく線量をごまかした事件はおかしな事件だ。犯人は過酷な事故現場で作業を行っていた人たちだ。この作業員たちは犯人だが、悪くないという事件である。当時も、たぶん、今もであろうが、作業現場は高い放射線量が常に記録されていて、5年間に100ミリシーベルト以下という被ばく容認基準は、あっという間に使い果たし、使い果たした作業員たちは解雇されるのである。この冷酷なルールは厳正に適用されれば、されるほどに、作業員達を一方で、苦しめることになる。作業員たちは解雇されるのを恐れて、被ばく線量をごまかすことになる。線量計を被爆する量の少ない空き缶の中に入れておいたり、鉛で覆ったりしていたのである。当然、そうすれば、被爆量は0となる。こんなことはありえないので、おかしいと上司は思うのだが、優秀な作業員を失うことを恐れる人たちは、口をふさぐ。こうして事件は起きたのだが、名探偵は何も言わずに退場する。
Y-FP Office Japan
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