ピカソ・マニマニア

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『鍵のない夢を見る』  辻村深月著

2013-04-22 23:59:47 | 

 

 

去年 第147回直木賞を受賞した 本です。

 

主人公が 小学生の時 友達のお母さんが 近所で盗みを

していた。 大人たちはみんな知っていたが 何故か事件には

しなかった という ”仁志野町の泥棒”

 

八百屋お七の男版のような ”石蕗(つわぶき)南地区の放火”

 

出会い系で出会った男との 逃避行の ”美弥谷団地の逃亡者”

 

恋人の 子供っぽい夢に翻弄される主人公の 最期の復習

”芹葉大学の夢と殺人”

 

専業主婦の 育児ノイローゼ ”君本家の誘拐”     の

五編からなります。

 

どの作品も ほんの少し心の軸がぶれたら 誰でもが係わり

そうな事件です。  

 

先日読んだ 『ふちなしのかがみ』 は ホラーっぽかったのですが

この本は 自分にも起こり得るかもしれないという 恐怖が

あります。

 

特に最後の ”君本家の誘拐” などは 子供を育てたことの

ある女性なら 誰もが身につまされるでしょう。

 

読み応えがありました。

 

なお表題の 『鍵のない夢を見る』 という作品はありません。

五編全体をさしての 題名です。

 

 

  遅ればせながら  風呼  でした        

 

 

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