去年 第147回直木賞を受賞した 本です。
主人公が 小学生の時 友達のお母さんが 近所で盗みを
していた。 大人たちはみんな知っていたが 何故か事件には
しなかった という ”仁志野町の泥棒”
八百屋お七の男版のような ”石蕗(つわぶき)南地区の放火”
出会い系で出会った男との 逃避行の ”美弥谷団地の逃亡者”
恋人の 子供っぽい夢に翻弄される主人公の 最期の復習
”芹葉大学の夢と殺人”
専業主婦の 育児ノイローゼ ”君本家の誘拐” の
五編からなります。
どの作品も ほんの少し心の軸がぶれたら 誰でもが係わり
そうな事件です。
先日読んだ 『ふちなしのかがみ』 は ホラーっぽかったのですが
この本は 自分にも起こり得るかもしれないという 恐怖が
あります。
特に最後の ”君本家の誘拐” などは 子供を育てたことの
ある女性なら 誰もが身につまされるでしょう。
読み応えがありました。
なお表題の 『鍵のない夢を見る』 という作品はありません。
五編全体をさしての 題名です。
遅ればせながら 風呼 でした
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