去年 ”鍵のない夢をみる” で 直木賞を受賞された
辻村深月さんの 2009年の作品です。
学校の階段に出る少女の霊の話 『踊り場の花子』
こっくりさんに嵌った女の子がぶらんこから落ちて死ぬ
『ブランコをこぐ足』 痴呆症の祖母の家を掃除に行って
沢山の死体をかたずける 『おとうさん、したいがあるよ』
現実と 未来が交錯する鏡 表題の 『ふちなしのかがみ』
少年のひと夏の不思議な体験の 『八月の天地異変』 の
5編の 短編小説集です。
ホラーと云うより ファンタジー。
『おとうさん、したいがあるよ』 と 『ふちなしのかがみ』 以外は
小学生の話です。
小学生の頃 クラスには お金持ちの子がリードして集めた出来る子の
グループがあって いかにもどんくさく貧乏くさい子を差別していた。
そうだ私の小さい頃もそうだった、 と 思い出しました。
その中でひとり 美人で勉強も良くできる子がいて 率先して出来ない子
たちと遊んでいた。 子ども心に 偉いなあ~ と 見ていました。
彼女は その後 どうしたのだろう。 挫折もせず そのまますっくと大人に
なったのだろうか? 私は間もなく父の転勤で 引っ越したので分らない
のですが。
小学校の時の人気者って 案外 中学では 目立たなくなり 中学の人気者は
高校ではさえなかったり するものです。
彼女は ずっとあのままだったのだろうか。 そうあって欲しいと 勝手に願っ
ています。
風呼 でした
昨夜・今夜 と2日連続で放映されている NHKドラマ『極北ラプソディ』
主人公の恋人の祖父を演じられているのは 何と 高橋昌也 さんです。
骨と皮ばかり ホホもこけて長顔になられ、 映画監督で俳優もされる
鈴木清順さんのようでびっくりしました。 目に見覚えがあり 高橋昌也
さんだと思い出すのに 少し時間がかかりました。
私の覚えている 高橋昌也 さんは ちょっと色気のある中年男 という
イメージでしたので。
頑固で一徹な病人役とは。
以前 『北の国から』 という番組で 往年の剣豪二枚目スターの大友柳太朗
さんが 愛馬を手放す老人役で出てこられた時も 驚きましたが ご本人だと
すぐわかる容貌でした。
そういえば 大友柳太朗さんは 数年後 ドラマの役柄さながら自死された
のでした。
二枚目スターを誇った ご自分の老いが許せなかったのでしょうか。
1930年のお生まれだそうです 高橋昌也 さん老いて新境地なるか 今晩の
『極北ラプソディ』 後編が楽しみです。
風呼 でした
国内で最大級の 書道団体だそうです。
私は 書は全く分らないのですが 友達が賞を貰ったというので
行ってきました。
さくらにはまだ早い 乃木坂。
二階の 三ツ星レストラン ”ポール・ボキュワーズ” が ”VOGUE”
という 喫茶に変わっていました。
せっかく ポール・・・・ の名前を覚えたのにね。
書道展
46 ヨンジュウロク と
ブロック番号を唱えながら探しても
なかなか辿りつかない
ウィークデイの昼下がりの会場は閑散と
100の書が 一人を囲んでいる
入り口付近は
大きな賞の書がいっぱい
ああ 何が書いてあるのか
どこがいいのか 分らない 分らない・・・
けれど 迷い込んだ場所では
ばっちい としか表現できないのもたくさん
そうか
分らないと思えるのは
上手いからなんだ
by 風呼
現在 TBS・TVで 金曜夜10時から放送されている同名ドラマの
原作です。
ドラマを見るのが先で 本は先週から読みました。
ドラマと 原作は かなり違っていますが 共通するあらすじは
こうです。
『ひばりが丘』 なる高級住宅地で 殺人事件が起こった。
被害者は 50代の医師。 加害者はその妻らしい。
妻は医師の再婚相手で 前妻の長男、 二人の間の長女と
二男の3人の子があります。 長男は関西の医大に在学して
いて、長女は友達の家に泊まりにいっていて不在。
事件後 在宅していた筈の二男の行方が不明。
主人公は 医師宅の向かいに住む 遠藤真弓。
事件のあった7月3日夜から 6日未明までの出来事を 主人公
一家がひばりが丘に越してきた3年前からを回想しながら描かれ
ています。
TVで 高橋克典演じる刑事は 原作には出てこない。
遠藤家の主人は 医師から借金していないし、 医師の妻とも
友人関係にない。
この本の解説は ドラマの脚本を書かれた 奥寺佐渡子さんと
云う方なので 多分大幅な脚色は 作者も承知なのだと思います。
解説を書かれた時点で 8話だそうです。 現在 8話まで放映済。
ドラマと原作を比べた場合 大概は原作の方が面白いのですが
この『夜行観覧車』 に限っていえば ドラマの方がより人物が
陰影に富んでいて 見ごたえがあります。
この分だと ドラマの結末は 原作とは違ってくるかもしれない。
あと2話、 目を離さず 楽しみたいと思います。
by 風呼
幼馴染の女性二人を中心に その友人たちも含め 現代のアラサ―を
描いた物語です。
『鍵のない夢を見る』 で 2012年第147回直木賞を受賞された
辻村深月さんの 2009年同賞候補作。
少子化時代の 母と娘の濃密な関係が 描かれています。
主人公Aは 過剰な母の期待に反発しながらも応え ギリギリ20才代で
母の望む結婚をする。
幼馴染のもう一人Bは 親子べったりの関係に何の疑問も抱かないまま
アラサ―になったが 心の奥に幼馴染Aとの間の格差を感じていて その
知り合いの男と関係を持つことで 彼女と同等レベルと思おうとする。
現代のアラサ―が婚活をするのは 30才位までに子供を生みたいからで
主人公達もその例に漏れず Aは 流産したばかり、 Bは他の女性と結婚
することになった男の子どもを身ごもり 生みことを激しく拒否した母親を
過って刺殺し 逃亡するのです。
小説の題名の 0807 とは Bの母親が死の直前に娘に与えた 銀行の
キャッシュカードの暗証番号で Bの誕生日です。
”ドラえもん” の のび太の誕生日でもあるそう。 作者は 藤子不二雄の
大ファンだそうです。
アラサ―女子の それぞれの心情が良く描かれていて ミステリー仕立ての
Bの逃亡劇とともに 面白く読めました。
あんまり恐いので 途中でやめた 『ふちなしのかがみ』 もまた 読んでみよう。
納得の直木賞作家です。
風呼 でした