ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
カテゴリーのピカソを クリックして下さると 嬉しいです。

『 鏡 』  ジャクリーヌ・ロックの独白

2022-11-30 21:48:39 | ピカソ
   

フランソワーズと別れたピカソは 南仏のカンヌ,ヴォーヴナルグと移り住み
妻ジャクリーヌ・ロックと 生涯を過ごす ムージャンに落ち着きます。




          『鏡』  ジャクリーヌ・ロックの独白



     あなたが右手を上げれば
     私は左手を上げる

     あなたが左下を見やれば
     私は右下を見やる


     こうやって向き合って立つと
     女としても大きい方でない私と
     ほうら同んなじ背丈
     鏡を見ているようです

     
     パブロ
     私は女の形をしたあなたです


     あなたはもう80才だから
     これからは制作だけをすればいい

     鏡の奥から
     出てくる必要はないのよ

     煩わしい事は
     全部私に任せて


     さあ私が踵を返したら
     あなたはアトリエに戻ってね


     誰にもあなたの     
     邪魔をさせない





1961年ピカソは 79才で30代半ばのジャクリーヌ・ロックと結婚します。
肉体の衰えは 誰かの助けを必要としていました。 何から何まで ジャクリーヌ
の指図、 致し方ないとは言え ピカソに鬱積が溜まります。 ジャクリーヌを
これでもかと貶める 絵を描きます。 彼女が全裸で排尿している絵を見たときは
声も出ませんでした。

ピカソの絵は日記でした。 手足のグロテスクなまでに大きな絵を(海辺の女 等 1920年代)描いた時は 妻オルガが長男パウロを身ごもり出産、育児の頃。
豊かな母性を表現しているとされています。 が、私は 自分より子供を構う妻への不満の表れだと思っています。  

ミノタウロスの凄まじい絵を描いたのは 愛人マリー・テレーズと ドラ・マールの衝突を 面白がってはみたものの 大きなストレスも感じていたからでしょう。  

それにしても ジャクリーヌ・ロックへの辱めは 凄い。   

彼女が 生涯ただ単にジャクりーヌもしくはジャクリーヌ・ロックと言われ、 ジャクリーヌ・ピカソと あまり呼ばれなかった事からも ピカソの心の内が 窺われるようです。



初めて 読んでくださった方へ
5月13日に載せていただいた 『鳩の足』 がピカソシリーズの 一番初めの詩です。 そこから概ね 年代順になっています。 遡って読んでいただければ幸いです。       



       風呼 でした    



         ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 好敵手マティス | トップ | 『ピカソとの生活 Ⅱ』  フ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ピカソ」カテゴリの最新記事