白いぬいぐるみと牛乳せっけん
ぬいぐるみの名前はバ―ビーです
３０年間 家にいます
この度 久々の出番となり
洗われることになりました
これは牛乳せっけんです
ちょっと上等の 赤箱です
この度 古いぬいぐるみを洗うという
使命に 久々の出番となりました
洗面台にお湯を張り
ていねいに押し洗い
目標は
しっぽの裏のおしりの白さ
あら 耳のてっぺんが
一番汚れてる ！
もう一度洗おうね
ぬいぐるみ
お風呂上がりのこどもと同じ
いい匂い
ああ 牛乳せっけんね
by 風呼 
値段の基準
買物で一番大事なのは
私にとって 値段です
靴なら いくら
洋服なら いくら
帽子は この位かな？
値段が私の基準にあえば
即決します
基準以上なら
もう一度 出直します
えっ ！ 貴方の価値ですか ？
ーーー 居酒屋でも 三つ星レストランでも。
by 風呼
彼岸の雨
テレツクテン テレツクテン
畳に耳をつけると
雨音の向こうに
祭囃子が聞こえてくる
テレツクテン テレツクテンテン
ついきのうまでの
狂熱の日々は
幻だったのか
テレツク テレツク
テレツクテンテン
夕焼けのすすき野原に
「ごはんですよ～」 と
母の呼ぶ声
テレツクテン
戻りたいな
母のいた昔に
by 風呼
いなせな兄い
美味しそうなカワハギが
調理済み２匹６８０円が５８０円に
デパ地下午後６時鮮魚売り場
あれ、こっちは１匹３００円が５８０円？
ちょっとお兄さん
これ値段が変よ！
おっとと 馬鹿だねえ
今、変えるからね
あれ! ２匹の方にするのかい？
何なら ３匹全部持ってかないか
じゃあ３匹貰おうかな
いくらになるの？
兄さん 鉢巻締めた頭を掻いて
ちっと考えて
１匹５８０円を消して３００円に直し
（さあて 〆て８８０円！？）
おもむろに両方のラップを引き破り
袋に入れ替え４００円と書いた！！
お兄さん足し算が上手ねぇ
おう、引き算は苦手だけんどな
by 風呼
我が顔を見ることあたわず
目いっぱい
お洒落をして外出
地下道のショウウィンドウにちらりと映る全身
背筋はちゃんと伸びているだろうか
洗面所の鏡の顔
化粧は崩れてないだろうか
これが私？
時々自分の顔が
違って見える事がある
声、話し方、雰囲気も含めて
ひとは人を見分けるのだが
今この鏡の中の顔が自分だと確かめるのに
片目をつぶったり 口角を上げたり
自分で自分を見たつもり
by 風呼
ひとり言
えっ 何？
今 何か言った？
ひとり言だよ
ひとり言
また何か
文句を言われたかと思った
ピピッ !
携帯の充電が終わりましたよ
居間から座敷に向かって
さっきのひとり言の大きさで
声を掛ける
自分の世界に入り込んでしまったら
そんな大きな声で言わなくても聞こえる
と言われる位 どならないと届かない
とり敢えず
知らせたからね
by 風呼
渋谷 O－EAST にて。
ご存じ 性転換手術をしたが 性器が１インチだけ残ってしまった
不完全な彼（彼女？）が 自分の半身を探し求める話です。
本来は 東ドイツ（の壁） から アメリカに逃れる設定でした。
今度の公演では 放射能汚染された地域（隔離された塀の中）から 外に
出る設定です。
原発作業員と娼婦の間に生まれ 塀の中で育ったヘドウィグは 塀の中の
子どもにしては 何の障害も持っていなかった。
ある日教会の牧師にプロポーズされ 塀の外に出るチャンスを掴む。 しかし
ヘドウィグは戸籍がないのでこのままでは牧師についていかれない。
憐れんだ母親は自分のパスポートを持たせ 性転換をさせる。 隔離された塀
の中の事ゆえ 当然闇の手術 そのせいで彼の（彼女の？）股間には
１インチの性器が残った。
１年後 牧師に棄てられたヘドウィグは 一人の少年に会い 彼こそ探し
求めている片割れと 自分のロックのすべてを教え込むが 不完全な肉体
と知られ 去られてしまう。 皮肉にも 彼は ヘドウィグの曲で 大スターに
なっていくのだが。
ある日 ヘドウィグの生まれ育った塀の中が一網打尽に爆撃された。
驚いたヘドウィグが戻ってみると そこに踊り狂っている一人の子供がいた。
男でも女でもないその子が 果たしてヘドウィグの探し求めていた
片割れなのか。
静寂という名の喝采
男なら一度は
ドラッグクイーンになってみたいんじゃない？
それは探しても探しても見つからない
男の理想の女性
Head Wig （かつら） を取って
ドレスを全部脱いで
上半身裸で
歌う ヘドウィグに
森山未来に
さっきまでのロックの喧騒が
嘘のように消え
聞き入る観客。
万雷の拍手の１００万倍雷
濃縮された 静寂が ひととき。
＊ドラッグクイーン
イケイケに男性が女装した姿
「O-EASTは ラブホテルの乱立する渋谷円山町にあります。
みなさん 昼間っから このいかがわしい場所へようこそ。
この円山町のラブホを 一日何組が利用すると 思われます？
何と 一日 ５０００組！ 今この時間も あっちこっちで・・・」
森山未来さんの こんなトークで始まりました。 舞台前は スタン
ディング席（？） １００人はいたでしょう。
折り畳みのイス席は 足元とお尻から音が響いてきます。
私が今まで見た 舞台の森山未来さんは 引きの印象。
今回は どんどん前へ出る 客席にまで。
体全体で歌う姿は 圧巻でした。
来年早々の森山未来主演の 『１００万回生きたねこ』 のチケットを
家に帰ってすぐに予約した
風呼 でした
家族について
これは長兄です
１１才年が離れています
父母が亡くなって２０年
５人兄妹の末妹の私とは
父母の姿が異なって
厳しく躾けられた兄と
殆ど構われなかった私と
同じ親とは思えない
父母の記憶
これは部活の後輩たちです
高校卒業後も一緒に合唱活動をし
たくさんたくさん合宿もしました
登山しては 山頂で合唱（ハモ）り
ドライブしては 岬でハモり
思い出がいっぱいあります
思い出を共有するのも
家族の一つの形であるなら
幾つになっても命令口調
長男風を吹かせ続ける兄よりも
彼女たちの方が
家族に近いと思う時があるのです
by 風呼
越中八尾の風の盆は ９月１・２・３日に行われます。
踊り手は男女ともに ２５才位まで。
この写真は ４日午前０時から夜明けまで行われる
OB・OGも参加する 地元民の為のものです。
後方のピンクの浴衣姿が 本来の踊り手さん。
４日は 編み笠を外します。
風の盆・夜明けまで
胡弓の音（ね）に耳を澄ませ
唄います
とうに編み笠を置いた
女ざかり
白髪のをんなざかり
時に男ざかりも混じって
踊りながら
夜明けを待ちます
白壁に
雲が白んでゆき
灯りが
その存在を消すまで
白い石畳の路が
セリ舞台になって
往年の踊り手が際立つ
静かな時です
夜明け 特に夏は 白が浮き上がって見えます。
風呼 でした
