ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
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応援団   少年期 

2021-10-09 14:43:29 | 少年期 詩作

団長は
一年上のKくん

胴長で短足
中3なのに貫禄十分
いかにもだ

団長の背中を見ながら
僕たち十人は
一週間練習した


✋ホーイホイ ホーイホイ
 そら来たそっちだ ぶっちぎれ!!


さあ 本番だ

✋フレーフレー
 し・ろ・ぐ・みっ !

いいぞ いいぞ

✋ホーイホイ ホーイホイ

あれっ
団長、練習と動きが逆だ !

みんなは あっ
団長に合わせている

何故?
僕の動きの方が正しいのに

いつも練習では背中を見せていた団長は
本番では 団員の方を向いたので
動きが逆になったのだ


後で クラスメートに

「君だけ動きが逆だったね」

と 言われたが
僕は 間違えなかった

そして 団長も 

練習通りだった



     by   風呼
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壁ドンドン の穴

2015-03-24 12:35:05 | 少年期 詩作

 

「あの子の部屋の壁には

穴があいているの」

 

私立の中学に進学

大学受験に挑戦中の息子を持つ

母親が言った

 

「私は本人が良ければ

別に大学なんてどこでも良いのだけれど

主人がねぇ ・・・」

 

ご主人は 小学生の彼の

塾の送り迎えを積極的に行っていたそうだ

 

そこそこの 第二志望の

中高一貫の進学校に入学 

 

中学までは良かった

ずる休みを繰り返しても トップを守っていた

 

学校は 成績さえよければ

余り生徒に干渉はしない

 

父親の期待は いや増すのに

成績はどんどん落ちていき

夜中に壁を叩き殴る音が響き

 

第一志望校の受験に失敗

 

一浪の後

 

少し離れたコンビニでバイトをしている

しゃれた服装で歩いていた

きっと私立のK大にでも受かったのだろう

 

教育熱心で有名な家だったので

人々の注目度も大きく 噂が先走った

 

実は彼は二浪中だった

 

三度目のセンター試験がま近になった

1月10日、小雪のちらつく未明

 

彼は自室で

高校の制服のネクタイで

首を吊って死んだ

 

 

小学生の時から

同級生や 先生までを馬鹿にしていた

彼は 何に負けたのだろう

 

「私は別に T大でなくても

よかったのよ」

 

壁に開いた 無数の穴を見つめ

涙もなく 母親は呟く

 

 

       by  風呼            

 

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君といた時間

2013-02-05 19:26:57 | 少年期 詩作

 

 

忘れない。 ずっと。

 

 

    君といた時間

 

昨日までは

当たり前だった

 

約束なんかしなくても

いつもの時間

いつもの場所で必ず会え

 

一緒に笑い

一緒に走った

 

ずっと続くとばかり

思っていたのに

突然の別れ

 

遠くへ行ってしまう

 

二人でいた時間が

こんなにも楽しかったなんて

 

大切なものは いつも

失ってしまってから気付く

 

 

        by   風呼                 

 

 

                   

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夢の中で

2013-01-13 23:53:26 | 少年期 詩作

 

 

    夢の中で

 

父親の仕事の都合で

北は北海道から 南は九州まで

日本国中いろんな処に住んだ

 

幸いどんな土地にも馴染み

その地での生活を楽しんだ

 

日本国中に友達がいる

 

休みの日 一日中寝ていると

よく 昔住んでいた場所の夢を見る

 

そんな時決まって携帯が鳴る

 

『おい 水臭いぜ

 さっき◯◯小路を歩いていたろう

 こっちへ来たんなら来たって

 連絡くらいくれたっていいだろう』

 

そうだ僕は夢の中で

◯◯小路を歩いていた

 

『なに寝ぼけてるんだよ

 人違いだろう

 オレは東京だよ』

 

メールを返しながら

僕はぶるっと身震いをする

 

そうなんだ 最近 僕は変だ

 

この間なんか 病院で危篤状態の

隣の小父さんが 

玄関前で じっと自分の家を

見上げているのを見てしまったし

 

 

           by    風呼                  

 

 

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オカメインコの十八番

2012-11-27 13:57:23 | 少年期 詩作

 

 

    オカメインコの十八番

 

来客があると

居間に吊るされた鳥かごの

オカメインコが芸を披露

 

” Mちゃん ベンキョウ

 Mちゃん ベンキョウ ”

 

張り切って 披露

 

オレがいつも母親に

言われっぱなしが バレバレ

 

「うるさい 黙れ!」

 

この頃はオカメインコの語彙が増えた

 

” Mちゃん ベンキョウ

 うるさい ダマレ! ”

 

 

 

        by    風呼                  

 

 

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金木犀の雨

2012-10-17 17:44:46 | 少年期 詩作

 

 

   金木犀の雨

 

どこからか

金木犀が匂ってくる

 

絹糸より細く

霧よりも確かな水滴

ひと粒 ひと粒に

切ない甘さを閉じ込めて

夕暮れに降る雨

 

雄花だけ渡来した木

 

どんなに雌花を恋うても

叶わない

 

僕の恋に似て

 

 

濡れて帰ろう

きっと これは僕の涙

 

 

 

       by     風呼             

 

     

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僕が前髪を垂らすわけ

2012-08-19 14:26:26 | 少年期 詩作

 

 

   僕が前髪を垂らすわけ

 

 

恐いもの知らずと

みんなに思われている僕には

 

頭の奥に闇があり

老婆が棲んでいる

 

闇は光を嫌うので

 

こうやって

前髪を垂らして

翳をつくる

 

日暮れ時 君は

僕が白髪の老婆に見える事がある

と いうけれど

それは正解なんだ

 

弱気になった僕から

闇にまぎれて

彼女が現れてくる

 

 

だから お願い

前髪をかき分けて

僕の秘密を覗かないで欲しい

 

 

 

       by       風呼          

 

   

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さよなら またね

2012-07-19 23:59:15 | 少年期 詩作

 

 

    さよなら またね

 

急いでなんかいないのに

ホームに降りる階段を

競った 早足で

 

今日は急ぐのに

足が進まない 

ひとりだから

 

一緒に電車に乗り

一緒に帰った

 

時には憎まれ口を

きいたりしたのが

今となっては悔やまれる

 

遠くへ行ってしまった

 

さようならの握手が

僕の心の中いっぱい

 

 

 

    風呼   でした          

 

 

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僕のタイムトンネル

2012-05-02 23:34:24 | 少年期 詩作

 

 

例えば 絵本とか おもちゃとか。

すっかり忘れていたものに 突然出会うとき。

 

 

   僕のタイムトンネル

 

私鉄の駅に降り立ち

おぼろな記憶で

昔住んでいた家路を辿る

 

大きく坂道を下り

再び大きく登ると

昔のままの団地が見える

 

たっくんや

まあちゃんや ひろくんが

泥んこで遊んでいるのが見える

 

おむつが取れたばかりの頃から

小学校入学前までの

もう今はばらばらになってしまった

遊び友達

 

西陽を背に受け

僕は半ズボンの6才に返って

走り寄る

 

 

 

 

下り坂と登り坂の間の 谷底が 僕のタイムトンネル。

     風呼   でした          

 

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見えない境界線

2012-04-30 23:58:32 | 少年期 詩作

 

 

知っているのと 知らないのと。

大人と子供の 境界線。

 

 

   見えない境界線

 

大ちゃんのお母さんはね

ちょっと有名な女優さん

テレビに脇役でよく出ているんだよ

 

大ちゃんのお父さんはね

大きな新聞社の記者

今はアメリカに単身赴任だって

 

だから団地の3DKなんだけど

一人っ子の大ちゃんの家には

お手伝いさんがいるんだ

 

小学校3年から卒業するまで

大ちゃんを始め僕たち同級生は

ずーっとそう信じていた

 

でも 親たちは知っていた

 

大ちゃんの両親は

離婚していたんだって

 

 

 

色んな事情で 大人は子供に嘘をつく。

      風呼   でした         

 

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青いロマンスカー

2012-04-07 07:50:36 | 少年期 詩作

 

6000形電車。 

千代田線直通の小田急線です。

 

日本初の 「座席指定特急列車の地下鉄直通」

多彩な運航が可能な 特急列車という意味で

Multi  Super  Express    略して MSE と呼ばれます。

 

 

 

   青いロマンスカー

 

憧れの

青いロマンスカーに乗った

少年は

 

デジカメで

車内を撮りまくったが

 

いまひとつ

満足度が足りないのは

 

青い車体の中の

自分が見えないこと

 

 

 

終点駅では 真っ先に 電車と一緒に記念撮影。

          風呼   でした        

 

 

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その日

2012-03-20 22:29:02 | 少年期 詩作

 

 

思い違いの 期待かも知れないのに。

 

 

 

   その日

 

近づくにつけ

その日が

 

するりと失くなってしまうようで

 

カレンダーにつけた

印ごと

消えてしまうようで

 

期待は すればするほど

好ましくない何かに 化けてしまうから

考え過ぎないようにしたりもするので

 

カレンダーの端っこの その日が

すとんと 欠けてしまわないよう

ブロックを描いて止めておく

 

 

 

 

思った通りの その日が来ますよう。

        風呼    でした          

 

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坂の上の駅

2011-10-05 21:48:51 | 少年期 詩作

坂の先には何がある?

 

 

  坂の上の駅

 

急いで坂を上れば

乗れるかも知れない

みんなと同じ電車に

 

いつでも僕だけ乗り遅れている

こうやって羨んで見上げている

 

そういう風に

出来ているんだ僕は

 

だけど本当は

みんなと同じ電車に乗りたい

 

この坂を駆け上がれば

きっとあるに違いない 僕だけの駅

 

僕は僕の方法で

いつか皆んなに追いついてみせる

 

 

 

いつでも劣等感が 一番先。

             風呼  でした      

 

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こころ美人  少年期

2011-09-13 08:22:59 | 少年期 詩作

顔にはあるけれど なぜか背中にはできないニキビ。

 

 

  こころ美人

 

今日の体育の授業は

大嫌いな水泳

 

だって 恥ずかしい

大人でも子供でもない自分の身体

 

ゆきなが言った

「わあ、 さっちゃん

 きれいな背中!」

 

美人と評判の

姉も言う

「さっちゃん

 背中美人ね」

 

一番きれいと云われるところが

自分は分からない

 

一番きれいなのは心だと

自分では思っている

 

誰にも見えないけれど

 

 

 

チビでデブで 毛深いからと 中学の3年間 一度もプールに入らない子     

もいた。

        風呼   でした       

 

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メロンパンの好きな男の子

2011-08-31 16:14:19 | 少年期 詩作

メロンの果汁なんて 入っていないけど。

 

 

  メロンパンの好きな男の子

 

大きな声では言えないけれど

ちっちゃい時から

メロンパンが好き

 

100円玉があると

近所のベーカリーに

メロンパンを買いに行った

 

ママに言わせると

歩けるようになるとすぐ

オムツをしている頃から

 

豚の貯金箱を振って

100円玉が出てくると

ママがいようがいまいが

いちもくさんにベーカリーへ

 

怒るよりも先に

100円玉がわかるなんてと

ママは感心したそう

 

 

大きな声では言えないけれど

中学生になった今も

メロンパンが好き

 

バーガーよりも

メロンパンが好き

 

 

 

メロンパン好きの男の子は 優しい大人になる。  と 思う。

           風呼r   でした        

 

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