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四人の子をすべて失いながら 鎌倉幕府を牽引することになる 北条政子の心情を見事に描いた小説です。
女性の視線で語られているので 同性として物語に入りやすく 面白く読みました。
NHKの大河ドラマ『鎌倉殿の13人』を欠かさず見ていて 女性が生き生きと描かれているのに感心していましたが 脚本の三谷幸喜さんは この作品を参考にされたのではないかと思われるほどです。
二代将軍頼家の気性の荒さと 繊細な三代将軍の実朝との差が 同父母なのにと考えさせられる。
園城寺に預けていた公暁を呼び戻し 鶴岡八幡宮の別当にする。
しおらしく千日行に励んでいると見せかけた公暁の本性が父頼家のこれでもかと描かれた乱行と重なります。
物語は 実朝暗殺・公暁殺害 の後、鎌倉幕府を(北条を)守り抜く政子の決意で終わっています。
作者、永井路子さんは 他の作家があまり取り上げない人を小説にされているそうです。
こんな描き方があるのだと いい意味で驚きました。
by 風呼
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