ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
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『 連獅子 』『 与話情浮名横櫛 』  於・歌舞伎座

2023-04-25 23:20:23 | 観劇

4月3日に同演目を見たのですが 余りの素晴らしさにもう一度来てしまいました。

仁左衛門の与三郎、玉三郎のお富 の 『与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこくし)』
完全に出来上がった名舞台でした。どの役に至るまで文句のつけようがありません。3日に私が見た2日後に仁左衛門さんの体調不良で3日間休演だったので 千秋楽まで大丈夫かと懸念されましたが心配は杞憂になりそうです。
先月の『髑髏尼』では 二階の正面席がガラガラだったのですが 今日は満席でした。(3日は三階席だったのでニ階席は見えませんでしたが)

  
   



松緑と左近父子の『連獅子』も一部の隙も無い名舞台でした。左近さんの溌剌とした動きに心動かされました。
今日も毛振りが凄く 胸が熱くなりました。分かっていたんですけどね。

初日から2日目と千秋楽まで3日と二回見て思ったのですが 良い舞台とは場の雰囲気が 一瞬 両手で掬い上げられそうに濃くなる、それは観客と共につくりだすものなんだと。


これ以上の出来には もう出会えないと思われる『与話情~』 もっと進化するのだろうが想像もできない 『連獅子』

幸せな一日でした。


   4月25日観 
          by   風呼
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『帰ってきた マイ・ブラザー 』   於・世田谷パブリックシアター

2023-04-21 16:51:49 | 観劇

水谷豊さんの 23年ぶりの舞台だそうです。

ヒット曲があったものの あっという間に解散し 40年を経て再結成をした 4人兄弟のお話です。

長男に 水谷豊、 次男に 段田安則、 三男に 高橋克実、 四男に 堤真一、 マネジャーに 寺脇康文 という ナイスなキャスティング。

それぞれ役者さんの個性に合わせて脚本が書かれたそうで 楽しい舞台になりました。

並みいるシスカンパニーの芸達者を従えての 水谷豊さんの存在感は大したものです。 70才になられたそうですが 身も軽く歌もお上手です。

私の押しは 段田安則さん。長男の陰でちょっといじけた次男を 邪魔にならずに演じられました。コーラスでの歌も動きも流石です。

三男の 高橋克実さん、空気を読まない明るいキャラを自然体で。いつも思うのですがこの方は舞台で見るととても素敵なんです。

四男は 堤真一さん。デビュー時は16才で、事態をよく理解できないまま言い出しっぺでグループを解散させた。実は一番 グループにこだわっていたことが判明。

秀逸は マネジャー役の 寺脇康文さん。 4人の一番のファンで 再結成を喜ぶさまを全身で表現されました。

劇中、なかなか歌の練習がないので、このまま本番があった事で終わるのかと思ったのですが 最後にちゃんとハモられました。 とてもお上手でした。

満足満足。 もっと歌って!

これはこういう舞台です。


一時間並んで当日券をゲット。


  4月19日観
          by   風呼
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ドタキャン  

2023-04-18 13:46:45 | 詩作

取りにくい席が
取れたので

姉二人を誘った

二つ返事だったので
その日を
楽しみにしていた

当日二日前の夜
次姉から ショートメッセージで
 終演が遅いので 体調が心配
 次の機会にしましょう

って

 分かったと
返事したら

 そうしましょう
ショートメッセージで


夜しか公演してないんですけど
チケット代を払ったのは私なんですけど


そういえば
「夜の外出は怖いので
 私は 劇場傍の ホテルに泊まろうかな」
と 長姉は言っていた

次姉も巻き込むことはないじゃない

長姉は いつもこう
言いにくい事は
いつもひとに
言わせる


長姉のドタキャンはあるかと
前日に誘ってもいいよと
来てくれた彼女が言った

「もう一人のお姉さんは
 どうされたの?」


ドタキャンはいい

だれにもそんな時はあるのだから

ひとを巻き込み
ひとに言わせるのが 許せない

当分
許せない

  
     by  風呼
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” ラビットホール ”     於・渋谷パルコ

2023-04-16 14:15:01 | 観劇

久し振りのストレートプレイ観劇です。

NKHテレビの 『おちょやん』での不思議な存在感、『鎌倉殿の13人』でのそこにいそうな妹感、さらにBS番組でのニューヨーク案内の親しみやすさ そのどれにも好感を抱いていました、宮澤エマさん。

共演が成河(ソンハ)さんとあれば 見に行かない訳はない。


この舞台を作り上げた人々の一体感が感じられる 名舞台でした。

    
偶然にも アフタートークがある日で その訳が分かりました。

自然な日本語は 翻訳者(小田島創志)演出家(藤田俊太郎)と共に宮澤エマさんも加わって脚本を翻訳されたそうです。アフタートークの三人は共にハーフでバイリンガル、稽古場でもどんどん科白が変えられたそうです。



4才の息子が 
ウサギを追う飼い犬を追いかけ
道路に飛び出し
車に轢かれて死んだ

ベッカは
門を開け放していたことを
悔やみ

ベッカの夫は 
無理やり犬を飼った事で
自分を責める

その時 母との確執で
2時間もベッカに電話していたことを
妹は妹で 後悔


息子の死から
8か月たち

ベッカはその遺品を
整理し始め

夫は
思い出に浸り

妹は
妊娠した自分を
姉に遠慮している

母親と妹は
ベッカを気遣い
ベッカは
それがうっとおしい

夫は
その3人の仲立ちをしようと
うろうろする
うろうろするだけ


家をOPEN HOUSEした日
終了直前にやってきたのは
息子を轢いた高校生だった

17才の彼に
成長した息子を重ねる
ベッカ

「あの日僕があの道を通らなければ・・・」

夫に
無神経だと追い出される 彼

彼の出現は
それぞれを”もしも”の世界に
誘う 


本当の ラビットホールに
陥ち入ってしまったのは 
17才の 彼


   4月14日観   
         by  風呼


  


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『 応天の門 』    於・宝塚劇場

2023-04-12 19:02:55 | 観劇

時は860年、やっと10才の清和天皇のお后選びにまつわる騒動です。

天皇の祖父になるということは 藤原氏にとっての宿願でした。

異母兄弟にもあたる 藤原良房と良相(よしみ)はそれぞれの姫を入内させたい。 良房は兄の子の基経を養子にしていたが その同母妹の高子も養女として入内を目論む。清和天皇より8才年上の高子は さらに17才年上の在原業平と駆け落ちの過去があった。 良相の娘多美子は(生年不詳)は 先に女御になり ほとぼりの冷めた高子も入内し 陽成帝の母となります。 所詮 兄弟同士の争いなんですけどね。 母親が違うと バックが異なるのでややこしい。

多美子入内までの警護を任されたのは検非違使の在原業平で 若き菅原道真の協力を仰ぐ。

応天門は 大内裏にあり その門をくぐれるのは 貴族だけ。
つまり権力ある貴族内の騒動に過ぎない と 言いたいのでしょう。


原作は灰原薬という方のコミックだそうです。

菅原道真に 月城かなと。クール。 在原業平に 鳳月杏。 雰囲気あり。
謎の商人照姫に 海野美月(はまり!)



   
二幕目は 海神たちのカルナバル というラテンショウ。

困った! ショウは 主役以外は 男役の見分けがつかない。


      4月11日 観
              by  風呼
 

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仁左衛門の与三郎 玉三郎のお富   於・歌舞伎座

2023-04-04 16:25:48 | 観劇

外人や 和服姿の年配や若い女性も多く、久し振りに歌舞伎座に コロナ前の賑わいと華やぎが戻ってきました。

4月の夜の演目は 『与話情浮名横櫛』(よわなさけうきなのよこぐし)と 松緑父子の 『連獅子』 です。

『世話情~』は お富と与三郎が出会う木更津海岸の場面からで 互いの一目惚れ模様がはんなりと色っぽい。
二人の密会で与三郎が34か所も切られる場面の 赤間別荘の場 も上演。
余りに有名な 源氏店の場 へと続きます。
たっぷり たっぷり の 仁左衛門さんです。お富は もう玉三郎さんしかいないでしょ。
大人の歌舞伎を楽しみました。



     
おまけも凄い!!
松緑、左近の父子の 連獅子 です。
左近ちゃんの溌剌とした 切れのある踊りが見ものです。
左近ちゃんと云いましたが 17才になられました。小柄なので ちゃん と呼んでしまいます。 
見事な毛振りの連続に 観客も負けじと手が痺れても拍手をやめません。



  まだ余韻が残っている
           風呼 でした    4月3日観

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