ご存知 特攻の母と呼ばれた 鳥濱トメさんの物語ですが 従来と異なるのは 戦後特攻機を壊しにきた 米兵との交流も 描いている点です。
鳥濱トメさんを演じるのは なんとあのバーレーボールで有名な 大林素子さん。 舞台で座っておられるときはいいのですが 立たれると 徒に体をひき伸ばしたように大きい。
何故 こんなに大きくなければならないのかと 思われる程 大きい。
後半 米兵が出てきて その大きさが生きます。 警察署長に頼まれ 不本意ながら 米軍の御用達食堂になるのですが ピストルを不用意に撃ちまくる荒くれの兵隊との やりとりに 安心感があるのです。 (5人の米兵が出てくるのですが 大林さんは 一番大きい人よりも 背丈がありそう)
戦争はどうして起こるの?
明日飛び立っていく
隊員に
トメさんは訊く
どうして戦争があるんだろう
自分達が敵艦を壊す事で
家族が守れると信じている彼らは答える
戦争は
じいさんが始め おっさんが命令し
俺たち若者が死ぬ
あの日の特攻兵のように
家族の写真を競って見せる
昨日まで敵だった米兵に
トメさんはやっぱり訊く
どうして戦争なんかするんだろうね
故郷から遠い辺鄙な地に
押しやられた兵隊が答える
戦争は じいさんが起こし
おっさんが命令し
俺たち若造が死ぬ のだと
この動画は 終演後 出演者が全員で お客さんのお見送りをしているものです。 最後写っている兵隊は 酒井貴浩いう方です。
金曜日の午後2時からの公演でしたが 満席でした。
大学生だという お嬢さん二人連れは この彼のお知り合い、 「出演者のどなたがお知り合いですか?」 と聞かれました。 私は女学生役(大谷瑠奈さん)のお母さまから 切符を買っていただきました。
新国立小劇場は 客席450。 この舞台の出演者はほぼ50人。 (何と 全員に役名がついています! 命をひとくくりにしない 作者の姿勢がうかがわれます)
身内の公演的要素が強いのですね。
切符を買うにあたって そのお母さまに 「特攻隊員役の俳優さんは 坊主になるのですか」と伺ったら 「勿論です!!」 と即答されました。 (お嬢さんは本物の高校生、 彼女の初初しさは他の女学生役の女優さんも それらしく見えるほどでした)
一人だけ 長髪の方がおられましたが 現在放映中のTVドラマで イケメン役をされているそうです。 この劇は 本来3月に公演予定でしたが 震災で7月に延びたのです。
彼は一番といってもいいほど 演技が上手かったので 帽子を脱いだ頭は 見なかったことにしておきます。
アメリカは この後も間断なく戦争に参加をしています。 66年も戦争をしていない日本をもう少し褒めてあげよう。
7月27日~31日までの 5日間9公演。 (その他 栃木公演が一日ありました)
公演回数を増やして 身内だけではなく もっと多くの若い人に見てもらいたい。 出演者も 再演を目指されているそうです。
風呼r でした