ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
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ナヲコ  (3) 名画座

2014-06-30 16:06:13 | 物語詩

 

木曜日の6時限の美術の時間は

よく 休講になった

 

教師は高齢で 有名な彫刻家という事で

制作に没頭すると 予定は否定になるらしかった

 

彼にとっては都立の高校で教えるのは

ボランティアにすぎなかったのだ

 

出席は全くとらなかったので

授業をエスケイプする者も多かったが

課題が出来上がるまで閉門まで居残ってもよかったので

そのうち皆んな創作を楽しむようになった

 

そう 木曜日の6時限目が休講だとわかると

ナヲコと私は図書室へ走り 朝刊をチェック

急いで名画座へと向かうのだった

 

そこでは 必ずと云っていいほど

クラスの誰かに出会っていた

 

現在と違って 映画館は上映ごとの入れ替えもなく

立ち見は当たり前の時代

 

たとえ込み合っていても ナヲコは

「すみません、すみません・・・」 と

上手に人を押しのけて 真ん中の通路に座り

次の回の上映には 席をゲットするのだ

 

結末が先にわかるのが難点だったが

私はナヲコの後を付いていけばよかった

 

ある時 若い男性が

「可愛いから 通しちゃうよな」

と言うのを聞いた

 

そうか ナヲコだから許されるのか

 

           

 

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ナヲコ  (2) ポートレート

2014-06-29 00:30:38 | 物語詩

 

 

ここに一枚の写真がある

 

入学したばかりのナヲコと私

教室の窓際で笑っている

 

身長も体重も ほとんど同じ

50メートル走の タイムも同じ

 

なのに ナヲコの方がずっと魅力的なのは

さりげなくシャツの第二ボタンまで外すというセンス

 

私はと云うと きっちり第一ボタンまで留めている

 

はた目には 私はナヲコの引き立て役としか映っていなかっただろう

自分の姿は見えないのだし 気付きもしなかったが

 

垢抜けて 誰からも好感をもたれていたナヲコと

トイレにも一緒に行く仲良しだというのが私はとても嬉しかった

 

 

 

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ナヲコ  (1)

2014-06-28 01:09:45 | 物語詩

 

 

青春、 とりわけ高校時代は

人生で一番 濃い三年間だ

 

学校という機織り機から織り成すタペストリーは

ひとり一人を中心に 生徒の数だけあり

一枚として同じものはなく

 

それは自分たちが卒業しても

学校が存在する限り 延々と続き

少しづつ 模様の傾向が変化して

 

同じ校舎なのに 訪れるたびに

自分の思い出が遠のいていく

 

 

ナヲコと初めて会ったのは

入学式の日

同じクラスで 席が隣どおし

ふっと 横を向いたら ナヲコがいて

とびっきりの笑顔で

すぐに一番の仲良しになった

 

                  

 

 

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"蘭平物狂”(らんぺいものぐるい) 松緑さん  6月歌舞伎座

2014-06-24 00:58:52 | 観劇

 

ここの処 進境著しい 尾上松緑さんの舞台 ”蘭平物狂” を

見てきました。(6月22日夜の部)

 

この演目は 大立ち回りが有名です。

写真上部は 花道でのもの。      おお恐わ。

 

父を殺された蘭平が 仇を打たんと その屋敷に奴として入り込み

正体がばれて 大乱闘をするというもの。

 

        

 

松緑の長男が 三代目尾上左近の名で 初舞台、 劇中でも父子を

演じました。  堂々としたものです。 8才だそう。

 

       

          左近ちゃんの 祝い幕です。

 

なんと この演目だけで 一時間半。

 

ちょっと甲高い声と 必要以上に肩をいからせた ぶれた動きが

苦手だったのですが 2,3年前に比べ 松緑さんは声が低くなり 

どこか遠慮勝ちだった様も 堂々とされ 見応え十分で 他は見ないで

もう帰ってもいいと思うほどでした。

 

続いて 幸四郎さんの太郎冠者の ”素襖落” (すおうおとし)

 

最後は 吉右衛門さんの ”名月八幡祭” (めいげつはちまんまつり)

どこか ”籠釣瓶・・・” に似た物語は 祭りの夜 永代橋が人の重みで

落ちたのを題材にしたそうです。

 

芸者の口車に乗った 田舎もんが 謀られたのに気づき女を殺すその場面

に 雨が降り 歌舞伎座では初めて 本水が使われるのがみどころです。

新歌舞伎座は 水が使えるようになりました。

 

凄惨な殺しの物語はあんまり好きではないのですが 吉右衛門さんの熱演

に最後まで引き込まれました。

 

久々に 重厚な 歌舞伎を見た という 気分です。

 

 

 

満足満足の

           風呼   でした            

 

 

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”JAZZ" と云う名のりんご

2014-06-19 00:33:53 | エッセー詩

 

 

季節が反対の

ニュージーランドから

 

幼児の掌にも

納まりそうな小ささで

 

とびっきり新鮮な

りんご登場 その名も ”JAZZ"

 

これはもう

まるっ齧りするっきゃない

 

ふじと紅玉を

足して割ったよう

 

しゃきしゃきと

甘酸っぱく

小股の切れ上がった味

 

 ピアノ演奏の ”JAZZ" だわ

これはもう

 

 

 

 

 

デキシーな味の ミカンも食べてみたい

 

        風呼    でした             

 

 

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”アメリカのめっちゃスゴい女性たち”  町山智浩著

2014-06-18 00:36:52 | 

 

1997年からアメリカに在住されている 映画評論家で

コラムニストの 町山智浩さんの著書です。

 

アンアンに連載されていたものに書き下ろしを加えた 55の

女性だけの話です。

 

著者が 「スゴい!」 「カッコいい!」 と思われた 政治家、

科学者、 経営者、 スポーツ選手、作家、 運動家 が主ですが

レズビアンをカムアウトした ジョディ・フォスター、 乳がんの予備

切除した アンジェリーナ・ジョリー 等 誰でも知っている人に交じり

バス席の 黒人と白人の差別を撤廃させた発端となった お針子の

女性、  小学校乱射事件をくい止めた帳簿係の女性 など 普通の

人の話もあります。

 

町山さんの アメリカこぼれ話は 私も大好きで TBSラヂオとか

週刊文春のコラムとかで 親しんでいます。

 

彼は 正真正銘の フェミニスト、 そのまっすぐな目で語られる女性

たちの生き様に 圧倒されたり 感心したり。

 

 

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フェイク・サマー

2014-06-16 14:44:20 | 詩作

 

夏の振りして

五月は往った

 

入梅雨しなくちゃ

六月は

あじさいを 咲かせ始め

 

夏を急いで

半乾きさせ

 

あら 失敗と

雨を降らす

 

五月

ほぼ サマー

 

六月

梅雨 時々 夏

 

アジサイの花は

泣きべそで

 

「雨がない」 と 

涙ふり絞り 渇きます

 

 

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6月12日 新宿 ”J"  大橋美加ライヴ

2014-06-15 22:42:29 | 日記

 

大橋美加さんは 日本初の女性ジャズヴォーカリスト マーサ三宅さんと

ご存知大橋巨泉さんの ご長女です。 

 

今や 日本のトップジャズヴォーカリスト。

 

近年歌唱にますます円熟味が増して 迫力も満点!

 

そんな凄い方に 幸運にも私は ジャズヴォーカルの個人レッスンを3年前か

ら受けています。

 

先生のライブに行くと 最後に一曲、 プロの演奏で一曲歌わせてもらえます。

タモリさんも共同経営をされている ここ 新宿 "J" は その中でも格式が

高く なかなか歌わせてもらえませんが  第3部まであるステージの

最後まで残っている人は少ないので 状況に応じて歌えることになりこの日は

楽譜持参。

 

第2部途中から日本を代表するベーシスト 鈴木良雄通称”陳さん”が見えて

大橋先生は大緊張! ”J" で歌うのは初めての私は何度も 「失敗は許され

ませんよ。」と念をおされました。 歌う気満々だった私、一瞬怯みましたが 

何時かはクリアしなければならない と 挑戦することにしました。

 

第3部は セッションタイム。 

プロの女性ピアニストや女性ヴォーカリスト アマチュアのトロンボーン奏者、 

件の 陳さん、 ”J" のマスター バードマン幸田さんのサックス と

盛り上がりました。

 

生徒4人も歌いました。  私も 歌う直前に頭が真っ白になったりもしました 

が何とか私なりのパフォーマンスも出来、 翌日先生から 「よくやりました。

やらせて良かった」 のお褒めのメールが届きました。

 

       

先生を真ん中に セッションに参加した 左トロンボーン奏者と 生徒たち。

 

 

 

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― そして三年

2014-06-12 00:43:25 | 詩作

 

 

三年あれば

生まれたての赤子だって

いっちょ前の口をきくようになる

 

 

三年経てば

赤面ものの失敗も

自分ほど他人は気にしていないと

気付く

 

 

そう 三年あれば

大抵のことに

片が付く

 

 

身を切られるほどの

別れも

普通に 思い出せる

 

三年あれば

 

 

 

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中原ひとみさん   ”徹子の部屋”

2014-06-09 13:41:06 | 日記

 

今日(9日)の 徹子の部屋のゲストは 江原慎ニ郎さんと

中原ひとみさん ご夫婦でした。

 

共に 1936年生まれ 誕生日が来れば 78才になられます。

 

江原慎ニ郎さんもお若いのですが 中原ひとみさんの若さに

びっくりです。

 

”バンビ” と呼ばれていた 若いころの印象を損なうことのない

美しい年齢の重ね方が 見事です。

 

大病を克服されている筈。

 

存在されるだけで 人を勇気づける方って あるのですね。

 

 

       by  風呼              

 

 

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夜啼きカラス

2014-06-08 15:17:21 | 日記

 

 

ここ数週間、 カラスが夜中に ひんぱんに啼く。

 

鳥目のはずなのに なぜだろう。

 

夜中に カラスが啼くのは 地震の前兆という説がある。

実際 一日以内に 震度5ほどの地震があったという報告も

あるそう。

 

けれど 夜中にカラスが頻繁に啼くのは 一年中ではなく この季節だけ

の気がする。

 

5月6月は 卵が雛に孵るころだというので 多分子育てでカラスも

気が立っているのだろう。

現に 午後3時の今も 啼いているし。

 

♪ か~ら~すー なぜ啼くの からすは山に

 か~わ~いー なーなーつの 子があるからよ~

 

は この時期の歌なんですね。

 

 

        風呼    でした             

 

 

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「さうさな」 石橋蓮司さん  ”花子とアン”

2014-06-07 22:31:43 | 日記

 

以前から 石橋蓮司さんのファンでした。

 

で 4月から毎朝TVで会えるので ご機嫌です。

 

これは 2012年の5月の 映画人を撮った写真展での 一枚。

 

細身で 長身。

 

しぐさが美しいのは 日本舞踊をたしなまれているから。

 

松田優作、 原田芳雄 さんらとも 親交があったそう。

 

どんな役をなさっても 表面だけでない 深い表情が印象的です。

 

素敵な 71才。

 

NHK朝ドラは 最近 小林薫さん 近藤正臣さん そして石橋蓮司 さんと

ナイスオールドガイの登用が 大成功ですね。

 

 

        by   風呼              

 

 

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洋喪服

2014-06-06 00:35:10 | エッセー詩

 

 

喪服の出番は

いつでも 急で

 

ああ 今回も

ウエストが入った と

 

食事は ほどほどに

一日を やりすごし

 

そうしてまた

何の手もうたず

 

突然の 弔に

同じことを 繰り返す

 

着物は なんて合理的なの

と つくづくと 思う 今更に

 

 

 

         by   風呼                 

 

 

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