鹿島田真希さんの 第147回芥川賞受賞作です。
脳に障害を負った夫と その妻の 一泊の旅の話。
二人は 30代半ば。
裕福な子供時代が忘れられない妻の母のメッカともいえる
今は一泊5000円の区の保養所に落ちぶれた 老舗旅館が
二人の宿泊先でした。
主人公には その母の贅沢という遺伝子を受け継いだとしか思えない
弟がいて 何かにつけ 搾取されていました。
金持ちと結婚させたがっていた母に反抗するように 主人公は平凡な
男と結婚します。 そのままいけば 主人公は気のいい夫ともども 母と弟
に身ぐるみ剥がされたでしょう。
ある日 主人公の夫は脳の発作を起こし 車椅子の必要な子どもに戻って
しまいます。 母と弟に 金銭をあてにされる事はなくなったのですが。
聖なる愚者
母は 冥土で生きている
と 奈津子は思う
母の大きく広げられた掌には
贅沢な時間だけが掬い取られていて
みじめな現実はすべてこぼれ落ちてしまっている と
母が繰り返し自慢する
思い出をめぐる 一泊の旅に出たが
そこに奈津子の求める答えはなく
無邪気に障害を顕わにして
誰からも愛される
天真爛漫な夫に癒される自分を見た
弟と母は生きながら
冥土で暮らしている
夫はこんな体になって
自分をあの母弟から救ってくれた
この世は 理不尽ばかり
そればかり思っていたが
風呼 でした
阿津賀志山と書きます。 蔵王近く 標高289m。
文治5年(1189年) 7月19日 いよいよ奥州征伐に発向した
頼朝は 軍勢を3手に分けます。
頼朝は 宇都宮を経て白河関に至る 東山道、 比企能員らは
日本海側の北陸道、 千葉常胤らは太平洋側の 東海道。
頼朝の先陣には 畠山重忠。
8月7日 ここを合戦の拠点として 平泉が造った長さ3kmにも及ぶ
空堀2つ水堀1つを かねて用意した鋤鍬で 重忠は埋めさせる。
8月8日 数千騎での 箭(や)合わせは 鎌倉側に分あり。
8月9日 翌日に予定された合戦に 7騎が抜け駆けをするのを
重忠は黙認する。 7人それぞれにお家再興の手柄を欲していた。
7人は 9日夜半 あつかし山の裏手から奇襲にかかる。
一人死ぬも 好戦、 明け方あつかし山に到着した頼朝軍に 平泉は
あっけなく敗れる。
あつかし山の陣の大将 藤原国衡(嫡男泰衡の異母兄)は巨漢だった。
和田義盛と相まみえるが 体に応じた箭(や)が長いので引きに時間が
かかり 先に義盛に腕を射られてしまい 敢え無く重忠の臣に鳩首される。
ちなみに国衡の箭の長さは14束(そく 1束8cm) やはり剛の者義盛
の箭は13束、 10束から12束が普通だったそうです。
雪になれば勝算あり。
平泉は 2か月持ちこたえるつもりでした。
たった3日で けりがつきました。
7騎の抜け駆けを容認した 重忠と頼朝の 大物振りが見事です。
そんなこんなの 今日の吾妻鏡。
風呼 でした
五輪が連夜面白い。
一昨日は 女子バレーボールに始まり 女子卓球団体戦と
続いたので 男子サッカーまで集中力が持たず さわりだけ
見て寝てしまった。 だから負けたのかしら。 気が咎めます。
昨日(本日未明)は 女子レスリングで 2つの金メダル。
何という快挙! 女王の風格を讃えた伊調馨さんはよく存じて
いましたが もう一方はまったく知りませんでした。
小原日登美さんとおっしゃるそうです。 主戦場にしていた
51kg級がオリンピックに採用されず 48kg級に引退した妹さんの
代わりに ウエイトを落して出場されました。
冒頭の写真は 応援席のもの。 (毎日新聞より)
左から 両親の 坂本万里子さんと坂本清美さん、 その隣が妹
清水真喜子さん、 その隣が弟の将典さんだそうです。
応援席で掲げられていた日の丸に 坂本 とあったのは小原さんの
旧姓だったんですね。
風呼 でした