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『 営繕かるかや怪異譚 』 その参   小野不由美著

2023-01-09 21:51:17 | 

営繕は 傷んだ家等を修理すること。

尾端(おばな)という若い大工が対処した 怪異な話です。


  ヨーロッパの古城風のレストラン、窓の三枚のうち一枚だけ
  嵌められた古いガラスが起こす怪異の  「待ち伏せの岩」

  夫亡き後 誰をも受け入れない義母と暮らす 子供のいない主
  人公。亡き後もする義母の動きまわる音  「火焔」

  自身が得られなかった暖かい家庭を追い求めるように作る
  ドールハウスに起こった惨状  「歪む家」

  跡取りの最初の嫁とその長男が死ぬ その業から逃れるように
  転居するも 不気味についてくる影  「誰(た)が袖」

  幽霊屋敷と近所の人から忌み嫌われている 河口と海に面した
  家に一人住み続ける若い女性。 海に浚われ行方不明の人の
  亡霊におびえる  「骸(むくろ)の浜」

  あからさまに姉ばかり可愛がる母親に愛想をつかし大学進学  
  を期に家を出た妹が 職を得て帰京し 誰も住まなくなった家に
  住むことに。離れで そこで自殺した姉を感じる  「茨姫」 

の6編からなっています。

海に面した城下町に起こる不思議を 原因を追究するでなく 得体のしれない物と時に共存しながら的確に 尾端は営繕します。


作者の小野不由美さんは 大分県中津市出身。
怪異の多い土地柄で 作者は好んでその話を聞いて育ったそうです。



      by   風呼
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