裁判員制度が少しはわかるかと思い 読んでみました。
2009年、裁判員制度が始まった年に書き下ろされた文庫本です。
父親を 階段から突き落とし死亡させた疑いで 20才の大学受験浪人生の息子が逮捕されます。
故意か事故か?
裁判員は 10数名の候補者から面談等を経て 6人、2人が補充員として選出される。
裁判官は3人。
殺人・放火・誘拐 等の刑事事件で適用されます。
この事件の場合は 3日の予定だが 場合によっては2,3日延長される。
この小説の場合、主人公の5番目の裁判員の申し出により 更なる検証が追加され 2日休廷を挟むこととなる。
新聞記者を経て弁護士になったという作者の 裁判員の申し出を聞き入れるという 多分これもあり なんでしょう。
階段を転落した父親は 仮死状態で その後他の何物かによって惨殺されたと判明。
犯人は高利貸しだった父親に恨みを持つ 6人の陪審員の一人だったという ミステリー初心者の私にも腑に落ちない結末です。
心拍停止を確認したにもかかわらず 通報もせず 自宅に逃げ帰った 息子とその愛人。
交通事故では現場から逃げ去ると罪に問われるのに この件に関しては通報しなかった事は罪に問われないらしい。
読者にここまでの描写は必要か と思わせる品性に欠けるエピソードが 多すぎる。
弁護士でもある作者の始まったばかりの裁判員制度への解説書としても ちょっとどうかなあ。
何時 裁判の場面になるのかなぁ~ と 兎に角読了しました。
下品ついでに 裁判員の報酬については書いてありません。
by 風呼