ピカソ・マニマニア

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夜の船室にて  ハイネ詩

2010-10-18 11:45:57 | 日記


昭和42年の ソノシートです。

岸田今日子朗読。  途中からですみません。



 夜の船室にて
         
      ハイネ詩   
 

海には真珠
そらには星
わが胸 わが胸
されどわが胸には恋

ひろきかな 海とそら
はるかにひろきはわが胸
真珠より星よりうつくしく
かがやきひかるわが胸の恋

わがうらわかきをとめよ
わがひろき胸にきたれ
げに恋のあまりに
わが胸おとろへ 海もそらも消ゆ


      *


うるはしき星のきらめく
あをぞらのとばりに
われくちびるをおしあて
はげしく いたく泣かまほしき

かの星こそ 恋びとのひとみなれ
いよよきらめき かがやきて
やさしくほほゑむ
あをぞらのとばりより

われ あをぞらのとばりへ
恋びとのひとみへ
せつなくも腕をのべ
祈り またねがふ

やさしきひとみよ めぐみの光よ
わが魂(たま)をよみしめたまへ
われを死なしめ われに得さしめよ
おん身と またそらのすべてを


      *


そらにまたたくひとみより
金の火花ふるへつつおち
闇をつらぬきかがやけば
ああ わがこころいま恋にふくる

おお そらにまたたくひとみよ
わがこころに涙そそげよ
そのひかる星のなみだを
わがこころにあふれしめよ


       *


海のなみに
まどろみの思ひにゆられて
われしづかに船室のかたすみの
をぐらき寝台にふす

ひらきたる小窓により
そらにきらめく星をあふぐ
そは わがなつかしき恋びとの
いとしき うつくしきひとみ

いとしき うつくしきひとみは
わが頭上をみつめ
あをぞらのとばりより
かがやきて会釈す

あをぞらのとばりのかたを
ひたすらにわれは見惚る
しろき霧のうすぎぬに
いとしきひとみの覆はるるまで


      *


まどろみのわがまくらべの
ふなばたの板壁をうち
波は 荒波はどよめく
波はざわめき
ひそかにわが耳にささやく
「おろかなるものよ
そらはたかくして汝(な)が腕はみじかし
星はかのそらたかく
金の鋲もてとめられてあり
あこがれはむなし 吐息もむなし
ねむりいるこそいとよけれ」


       *


しじまの白雪とざす
ひろき荒野をわれゆめみたり
その白雪にうづもれ
ひとりつめたき死のねむりに落つ

されど くらきそらよりわが墓を
見おろすは星のひとみ うつくしきまなこ
そのまなこ かちほこりてかがやきぬ
しづかに笑みてなほも おもひこもれり





友人から借り受けて 我が家のプレーヤーで録音しました。

自動プレーヤーには ソノシートのプログラムはありませんので 手動でやっとこ録音、 これが最初だそう。  40年余の眠りから醒めた 朗読です。


     風呼r   でした      



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (懐かしい思い出)
2021-12-03 07:48:44
中学生の頃に良く聴きました。
寝床の中で何度も何度も聴きました。
片思いをしていました。
岸田今日子さんの声は心に染み入りました。
今でも聴きたい。
録音が手に入るものでしょうか?
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