一年ぶりに人と会う約束をした
新国立美術館の展示の末席を汚す
私の南画を見に来てくれる 三人
一日ごとに気温が変わるので
何を着ていこうか 直前まで迷い
電車は遅れないだろうか
緊張して 沿線の桜も目に入らない
♪酒とバラの日々 ♪ の歌詞に
Through a meadow land toward the closing door
a door marked nevermore
that wasn`t there before ~
とあり、 元には戻れない過去
に 今一つピンとこなかったが
人と当たり前に会えた
あの頃と このコロナ禍中の日常が
切り離されて
注意深く 共存しながら
未来にそのまま繋がって
nevermore の言葉が
2020年春以前に立ち塞がるのだろう
収束時に
今現在を nevermore と 封印、
密閉出来ればいいのに
by 風呼
隣の奥さんが
亡くなった
暮れも押し迫った
12月下旬 享年85。
公立の保育園長を
勤め上げた
背筋をピンと伸ばした
スタイルの良い若々しい姿は
私の目標だった
あっという間に
病状が悪化し
発病してから二か月余
訃報を聞いて
花壇の花が枯れているのに気づき
彼女がいたころのように
花を植えた
時々 花壇の花を
ついでに買ってきていたのだ
一人息子さんは
別に暮らしているので
2リットルのペットボトルで
誰にも見られない時間に
水遣りをしている
みつき近くになるが
花はまだ生き生きと咲いていて
我が家の花壇より美しいくらいだ
お孫さんがなかったからか いつも何だか見張られていたようだったけれど亡くなってしまわれると寂しい
風呼 でした
3年越しで探していた
ネックレスが手に入った
値段に糸目をつけなければ
簡単に買えるものだとは思うが
問題は 価格
私の予算は 相場の半分以下
某デパートの宝石売り場
福袋で 定価の半額だという
値段も勿論だが
デザインが気に入った
立派な高齢者になったし
もうこれが最後の自分へのプレゼント
そう思っていたのだが
一週間もしたら
まだ欲しいネックレスがあったのに
気が付いた
目標は 達成したら
新たに目標ができる とは
先人の教えだが
物品ではなく
それは 志の問題でしょう
と 我ながら呆れる
by 風呼