写真右奥は 青山劇場入り口です。
青山円形劇場は ポスターの左手です。
愛子さまもおいでになった青山こどもの城の3階、 午後3時の上演でしたので ビル中子供だらけ、 母親だらけ、 国道246の道路の向いにある 青山学院の生徒らしい小学生がいっぱい。 青山学院御用達の 学童保育なのかと 下司は勘ぐります。
子供をぬって 劇場入り口に到着です。
観劇前の わくわく感が 半減します。
青山劇場は文字通り 舞台が直系18.6メートルの 円形です。
客席は舞台を丸く囲んで ほぼ300席くらい。
舞台に上がるのには 客席を通るので どの席からも 俳優さんが間近に見られます。
出演者は シスカンパニー所属の 段田安則、 高橋克実、 浅野和之 と若手の鈴木浩介。
この4人が 主人公のヘンリー・プリングを始め 複数の役を演じます。 4人が変わりばんこにヘンリーの役をしたり、 ヘンリーが4人に増殖したり。
もう一人の主役 オーガスタ叔母さん役だけは 段田安則一人で演じます。 でも段田さんも ヘンリーだけはやるのです。
原作は 『第三の男』 『堕ちた偶像』 のグレアム・グリーン。
オリエント急行に乗って トルコへ行ったり、 アルゼンチンに行ったり、 挙句はパラグアイ。
英国詩人の名前がこれでもかと出てきて、 私には「名前くらいは知っているけど・・」の世界です。
観客は かなりの教養を要求されます。
客席を見回すと 大学教授のような方がいたり、 私の気のせいか知識人ばかりに見える。
席は完売で 当日売りを 1時間前に発売するそう。
物語です。
ヘンリー・プリングは母親の葬儀で 50年振りに 母の妹と会う。
ヘンリーは真面目な銀行員でしたが 55歳で退職、 庭のダリアを育てる毎日、 結婚は一度もしていない。
それを知った叔母が 昔の恋人に呼ばれて行く先々に ヘンリーを連れまわす。 奔放な叔母に 実直なヘンリーは振り回されるのですが 最後は叔母の事業の後継者となり 警察署長の14才の娘と 55才のヘンリーが 恋仲になり結婚の約束をする。 この14才の少女が英語が話せて 英詩がとても好きという設定です。
オーガスタ叔母さんの恋人は ナチスに美術蒐集を命じられた者で ダ・ヴィンチの聖母像の絵を持っていると疑われていて 行く先々で追われ 世界中を逃げ回っていた。 85才で行き着いたパラグアイはナチの残党が 大勢亡命していたのです。
最後に ヘンリーは 聖女のような母だと思っていた人は 本当に聖女のままで死に オーガスタ叔母さんが本当の母であると知る、 イングランドへはもう帰らない、 全く違う人生をパラグアイで送ると決めて 終わります。 そうそう75才のオーガスタ叔母さんも85才の恋人と結婚するのです。 密輸の事業はきっと大成功、 だって警察署長の娘が 義理の娘になるのだもの。
『堕ちた偶像』が映画化されたのは 1948年、 『第三の男』が 1949年。
『叔母との旅』は 1972年に映画化され(日本未公開) オーガスタ叔母さん役のマギー・スミスは アカデミー主演女優賞にノミネートされたそうです。
俳優さんです。 私は段田安則さんの大ファン、 すぐ傍で見れたし 存在感ばっちりで 大満足。
高橋克実さんは テレビで見るのと大違い 背が高くて素敵です。
浅野和之さんは 元自由劇場の笹野高史さんタイプ、 細身で足が長く 体の動きがしなやか。
若手の鈴木浩介さんという方を 私は良く知らないのですが ラテン系の人の役がぴったりで 好演されています。
私の中では 今年見た舞台の NO1 です。
風呼r でした
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