ピカソ・マニマニア

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『告白』  原作と映画   湊かなえ著

2013-08-31 01:01:40 | 

 

湊かなえさんは デビュー作 『告白』 で本屋大賞を受賞

されました。

デビュー作での受賞は 初めてだそうです。

 

シングルマザーの 理科教師の娘が 勤務する中学校内で

殺された。  その彼女の 少年法に守られた 教え子である

犯人への 復讐劇です。  教師、 犯人AとB, クラスメイト

の少女、等の 告白で 成り立っています。

 

まず原作を読んで この小説がどのように映像化されるのか

確かめたくて DVDを借りました。

 

映画は 傑作だと思いました。  画面のバックに 今時の

公立中学生の 親世代以上には 恐怖とも感じられる実態が 

のべつくまなく 映し出されている。

ホームルーム中にも拘わらず 携帯のメールが クラス全員に

送られたり。

 

今どきの中学生って 本当にこうなんだろうか?  担任が

シングルマザーだからなんだろうか。

 

この年齢の生徒は 教師の器を あの手この手で確かめる。

そう言えば 私たちの時代も 似たようなことがあったような。

 

2010年公開。 

主演は 松たか子。

生徒役に 今を時めく 橋本愛、 どれが彼女だか分らなかった

けれど 能年玲奈、  教師の娘役に 芦田愛奈。

新米教師役に 同年公開の”悪人” でも好演した 岡田将生。

 

ラストは 衝撃的。

天才少年の 自己中心の才能の使い方を逆手にとっての 娘を

殺された教師の これしかないという 復讐です。

 

 

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三津五郎の 髪結い新三   於・歌舞伎座

2013-08-26 23:49:51 | 観劇

 

端正な菊五郎、 下世話の勘三郎 と 観て 江戸前の三津五郎の

小悪党・新三を 楽しみにしていました。

 

23日に 歌舞伎座で観たのですが 何か三津五郎に納得出来なくて

ブログに掲げられませんでした。

 

膵腫瘍で 手術が決まってらしたのですね。

 

何時ものような 明るい色気がなく 夏バテされているのかと思っていました。

 

けれど 大家(弥十郎) との鰹半分 やりとりは 十分笑えました。

新三の弟子役の 勘九郎が 父上とはまた違う明るさで 舞台を賑わせて

くれました。。

 

  

          

 

もう一幕は 舞踊 ”かさね”

かさね(福助)は 左の女性の名前です。

与右衛門(橋之助)にたばかられ 殺されて怨霊になる、 夏に

相応しい。 

 

初見でしたので 物語の詳細は 終わってから確認。

初見の舞踊は イアホーンガイドを借りた方が 楽しめそうです。

 

 

三津五郎さんの 病気回復を 心より お祈り申し上げます。

もとーい、 新三。  待ってるぜ!

 

 

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芝翫さんの ”世話女房”   毎日新聞日曜版より

2013-08-25 13:47:46 | 日記

 

毎週日曜日の 毎日新聞の別紙 『日曜くらぶ』 に連載

されていた 歌舞伎俳優中村芝翫さんの奥様の 聞き語り、

”世話女房” が 今日の57回をもって おわりました。

 

私は 芝翫さんの大ファンだったので とても楽しみにして

いました。

 

5才で 父5代目福助を 12才で後見人だった 祖父5代目

歌右衛門を亡くし 祖父の葬儀の場で 昨日まで 『坊っちゃん』

と呼んでいた人に 「おい 坊主、 座布団をもってこい」 と言われた

という 苦労人です。

 

芝翫夫人の 雅子さんは 18才で芝翫と結婚されますが 元々の

芝翫ファンだったので 独特の歌舞伎世界の雰囲気にも臆せず

堂堂と 芝翫さんを 支えられました。

 

二男(福助・橋之助)、 二女 に恵まれ、 孫6人が歌舞伎役者に

そのまた跡継ぎの ひ孫の顔を見てからの往生、 家族に恵まれた

家庭生活でした。

 

良い男の陰には 相応しい善い女がいる。 (逆も真なり) 

 

終わってしまって とても残念です。

 

 

余談ですが 毎日新聞の日曜版は なかなか面白い。

松尾貴史さんのコラムは 胸がすくし 藤原帰一氏の

”映画愛” も 楽しみです。

 

 

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谷 文晁 展    於・サントリー美術館

2013-08-24 22:25:52 | 日記

 

キャッチコピーに この絵師、 何者!? とありますが

まさしく 私も何者? と思っていたところ。

 

我が家に 文晁の筆になる 鐘馗図があるので 少々調べて

みたのですが 資料が少なく 作風が分らない。

 

代々絵師の家系で 父親の代は 松平定信の御用絵師だった。

 

南画を描く人らしいのですが 作風がころころ変わっている。

模写も得意としていて 西洋画の要素もある。

 

        

 これは 図鑑の 縮小版鐘馗図 。   1807年作。  

 

         

こちらは 我が家の鐘馗像。   1826年作。

 

我が家の物は 偽物かな?   ’07年作より 上手いと思うけど。

 

ポスターの 錦絵から 山水画、 洋画まで。  中でも絵巻物が

圧巻です。

 

   

これも。   右は自分、 左は妻。

愛妻家だったらしい。

 

 

うーん、 ますます 絵風が分らない。

 

 

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サヨナラ、 ナヲコ

2013-08-22 23:39:35 | 日記詩

 

ナヲコの姿が

見えなくなるまで

 

私は手を振り続けた

 

10年ぶりに会ったナヲコは

去年 結婚されたお嬢さんが

ぴったりとくっついていて

 

ずっと 話がかみ合わなかった

 

上京の知らせの電話で

 

「娘夫婦と一緒に住んでいる」

 

今までで一番幸せそうな

声だったのに

 

何だか変だけど

私は ナヲコが幸せなら

それでいい と別れかけた時

 

お嬢さんがそっと寄ってきて

囁いた

 

「母は 認知症を患っています」

 

だから 一緒に住んでいる と

 

最初に聞かなくて 良かった

 

改札の前の ナヲコが

手を振っている

少し 焦点の定まらない目.

 

 

ブラウスの 一番上のボタンまで

きっちり留めた ださださの 私と

 

上から二つ ボタンを外した

小粋な ナヲコ との

15才の出会いの日から

 

ずっと 親友だった

 

本当の親友だから

何も詮索しなかった

 

私の知らない 土地で

いっぱい苦労したんだよね

ナヲコ

 

よかったね

守ってくれる 娘さんがいて

 

さよなら ナヲコ

 

心の中の 小さなゼンマイが

ひとつ プツンと切れて

 

調子狂っちゃうよ わたし

 

 

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80才の少女

2013-08-18 21:52:11 | 日記詩

 

 

2基あるエスカレーターの

何時も使う方が工事中

 

3台のエレベーターは

同時に来たり、 行ってしまったりの

お馬鹿さん

 

あーあ、

また3台とも行ってしまった

 

地下1階から 2階まで

しょうがないから階段で上がる

 

すぐ後ろから来た奥様が

「私、 80才なんですよ。

 足を上げるのが 大変」

 

「私もいい年をして

 おっちょこちょいで待っていられなくって」

 

「あーら 私から見れば

 まだ お嬢さん」

 

お嬢さん か。

 

自分もおっちょこちょいで

家族に心配ばかりされているという

奥さま

 

貴女こそ 少女のよう

まあるい 眼差し

 

 

 

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8月15日正午 もう一つの黙祷

2013-08-15 23:38:06 | 日記詩

 

 

 

遺影の貴女は

私の良く知っている笑顔でした

 

「20年前のものなの。

 詐欺よね」  と

貴女のお姉さんが笑って

涙を拭かれました

 

8月15日正午 

清楚な花籠が5つ置かれた

セレモ二ーホール

 

貴女の 無宗教の告別式に

私たちは黙祷を奉げました

 

貴女の信じた ”党” の掲げる

平和 と 重ね合わせて

 

 

急ぎ過ぎだよ。  みっちゃん。

 

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”春琴”   於・世田谷パブリックシアター

2013-08-08 00:46:24 | 観劇

 

谷崎潤一郎の随筆 『陰翳礼賛』 をモチーフに 小説 『春琴抄』 を

舞台化したものです。

 

2008年 初演。

その後 2009年と 2010年に 再演・再再演され、 今回は 再再再演。

この形式での 上演は 最期だそうです。

 

この形式とは 舞台の半分は 春琴は2人の女性が 人形を操って演じ

ます。    その一人 深津絵里が 声を担当します。

出演者は 10人なのですが ほぼ全員が 畳と竹の棒を使って 舞台装置

をつくります。

 

      

 

物語は 二重構造になっています。

ラヂオドラマの録音と言う設定で、 朗読者の(立石涼子 上手い!) 恋人との

携帯での会話が 録音の合間に 繰り広げられます。 

 

とにかく暗い舞台で 展開が早く 緊張を強いられる観客は この朗読者の

息子程に年の違う恋人とのやり取りに ほっと気を緩められます。

 

2人の別れ話から 物語は始まるのですが 録音が終わる時には 元の鞘に

収まっているのです。

 

 

 

     バチ捌き

 

バチはわての目でおます

 

佐助

 

お三味の音が悪いと

バチで殴るのは

おまえをもっと見たいから

 

わての気性が激しゅうなったのは

お前のせいや 佐助

 

おまえが全てを見せたがるからや

 

 

バチはわての心でおます

 

佐助

 

心がそうしろと言うのや

おまえは下男やから

バチで触れろと

 

痛いか 佐助

声をあげればひとが来る

 

何でそこに居る(おる)ん 佐助

いやや 行かんといて 佐助

 

なあ 佐助

 

       

         佐助と 人形のラブシーン。

         手足がばらばらで立っているのが 人形の春琴。

         頭を中央に 大の字に寝ているのは 佐助役の 成河

          (チョ・ソンハ)

 

         

 

ニューヨーク リンカーンセンターに招かれての 凱旋公演。

この後、 シンガポール、 ミシガン、 ロス・アンジェルス でも

公演されるそうです。

 

 

         風呼    でした                 

 

 

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ヒロシマを語り継ぐ  早坂 暁さん   日経新聞より

2013-08-04 15:06:00 | 日記

 

 

8月3日 日経新聞夕刊より。

 

早坂暁さんは 1929年愛媛県生まれの 脚本家・作家です。

「夢千代日記」 等を 書かれました。

 

1945年4月に 戦艦大和に乗りたい一心で 海兵学校に入学。

集まった15才の少年4000人は 長崎県の針尾島で 井上成美(しげよし)

校長の訓辞に 衝撃を受けた。

 

曰く 『お前たちは 戦後のために 集められた。 この戦争はもう負けて

いる。 戦後の日本のために 懸命に勉強しろ』

 

兵学校では 英語の授業があり、 土曜日には 西欧のクラシック音楽を

聴かされたそうです。

 

終戦後 帰路に見たのが 広島の惨状でした。

少年たちは 広島で下車し 一夜を明かすのですが 見渡す限りの焼け

野原に 死体から出るリンが燃えていた。  膝ががくがくして立っていら

れなかった。

 

東日本大震災で 原発事故を経験し 放射能のごみの処理すらできない

のに もう原発輸出が話題になっている。  けれど 食べてはいけない

ものは 食べてはいけないのです  と。

 

 

         風呼 

 

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千切れた眠り

2013-08-02 23:48:10 | 詩作

 

 

汗びっしょりで

目が覚めた

 

夢は見ていなかった

 

アラームに起こされた時には

夢の断面が 一瞬 見えるのだが

 

今日の夢は 掌に

千切れて残った 眠りの中にあり

 

もう 永遠に

見られないのかもしれない

 

去っていく 大きな眠りの塊に

尻尾のように くっつけて

 

今日の夢を

早く 見てしまわなくては

 

 

          by    風呼              

 

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大人這入ってます、10才   『月と蟹』   道雄秀介著

2013-08-01 18:13:56 | 

 

第144回 直木賞受賞作。

連続5回の候補は 新記録だそうです。 待望の文庫化。

 

慎一の父は 癌で死んだ。

癌は 英語で cancer と云うが 人体を侵すその組織が

蟹(cancer) に似ているからだそうだ。

 

 

    大人這入ってます、10才

 

月夜の蟹は

喰うんじゃないぞ

 

漁師だったじいちゃんは言った

 

月夜の蟹は

水に映った自分の醜さに驚き

 

で それがどうして

食べちゃいけないのさ

 

昔っから

そうと決まってんだ

 

 

夕暮れ 鏡に映った僕の顔は

醜くゆがんでいる

 

僕がやどかりの神様、ヤドカミに

願った 呪い

 

そういう事は 結局

自分に返ってくるのだと

じいちゃんは何時も言っていた

 

止めなくっちゃあ

今ならきっと まだ間に合う

 

 

 

 

母の女の匂いに気づき 慎一は 11才になった。

 

         by  風呼                

 

 

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