ピカソ・マニマニア

ピカソの91年を 詩にしました。
カテゴリーのピカソを クリックして下さると 嬉しいです。

『 父・巨泉 』 大橋美加著

2017-06-27 23:11:24 | 

 

今日の毎日新聞夕刊に書評が載りました。(左)

 

巨泉さんは 常々 ”You can't have everything” (すべてを持つことはできない)と 仰っていたそうです。

 

評にはこうありました。

「全てを手に入れたように見える父だが、実は同じに全てを持っていられたわけではない」

と見抜く目に、娘ならではの厳しさが漂う。

 

 

昭和が産み出した怪物の様だった 大橋巨泉 が 4才で別れた娘の目から描かれています。

 

娘の大橋美加さんは 6年半師事している 私のジャズヴォーカルの先生です。

本にも書かれていますが 嘘のない実直なお人柄で レッスンは非常に厳しいのですが 愛あっての事と 生徒は皆、納得しています。

 

レッスンの合間合間とかによく 「私はファザーコンプレックス」 と仰っているのですが。

どうしてどうして。

書評にもあるように 大変クールな目で 父親を(母親も)見ておられます。

 

巨泉という人は「自分がルール」的な傍若無人なキャラが際立ちますが 実は大変繊細で 娘たちには生涯、棄てたという負い目を抱いていた。

元妻のマーサ三宅にばったり出会うことがあったら 後ずさりしていた。

 

巨泉さんは 母親が 53才で(子宮がんで)亡くなったからか 本人も認めるマザコンで 子供には興味がなかった。

  (結婚された時、まだ22才だったからかも知れませんが)

 

美加さんは自身の結婚・出産を機に 父親との距離を縮めようと努力されます。

それは 経験しなかった父親を自分の子供たちを通して感じたかったからのようです。

 

そして 気付かれるのです。

巨泉さんは進歩的な人と 世間では思われていますが、 実は超の付く封建的考えの持ち主だったと。

 

美加さんは何時も継母と呼んでいる 後妻としての筋を貫かれた寿々子さんを立てておられます。

寿々子さんに遠慮しながら 不器用と思える誠実さで 父親に対するわだかまりを取り払おうと努力されます。

 

本当に巨泉さんにとって最晩年になってしまいましたが 本の表紙にもあるように 舞台でデュエットもされました。(2013年)

 

闘病されている癌の話ばかりでしたが(巨泉さんの家系は癌に罹患する人が多いらしい)

2015年の阿佐ヶ谷ジャズストリートでは 親娘の対談もありました。

 

 感情に走らない前向きな娘心が胸に迫ります。

 

 

       6月25日初版 双葉社

   

 

     by  風呼      

 

 

           ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御所五郎蔵 於・歌舞伎座

2017-06-25 00:12:15 | 観劇

 

曽我もよう侠(たてしの)御所染 というんだそう。

   もようは糸へんに秀と書く。 >糸秀<

 

左團次扮する 土右衛門と 仁左衛門扮する 五郎蔵との 物語冒頭の出会いのシーンです。

 

このためだけに 花道がもう一本拵えられました。

 

こんな恋敵役は 左團次さんしかいないでしょう。

 

 

      

73才になられました。

仁左衛門さんの 着流しの足の美しさ。

右手に尺八を持っています。

 

 

   

右 傾城皐月の 雀右衛門さん。

左 傾城逢州の 米吉さん。

 

少しほっそりされたよう。 米吉さんがみずみずしく愛らしい。

 

平成15年6月 歌舞伎座でこの御所五郎蔵が通しで上演されたそうです。

五郎蔵に仁左衛門 傾城皐月に玉三郎で (土衛門は 左團次さん やっぱりね)

最後の心中前に 仁左衛門さんは尺八を 玉三郎さんは二胡を 実際に演奏されじっくり聞かせる場面があったそうです。

 

 

 

    

鎌倉三代記の 松也さん。

武者人形のよう。 声も良く通り 立派です。

 

 

もう一つは 幸四郎さんの 一本刀土俵入りです。

      

お蔦は 現猿之助さん。

私はこの方の 亀次郎時代がとても好きでした。

気の良い小母さんをやらせたら 天下一品。久しぶりに亀次郎節を堪能しました。

 

3月の 碇知盛で 安徳天皇役で涙を誘った 市川右近ちゃんが お蔦の子供役で 八尾おわら節まで歌う好演。

 

今月の歌舞伎座夜の部は 3本とも中身の濃い 大人仕立て。

上演時間も 休憩時間を5分はしょったり 30分くらいは長い。

お尻が痛くなってきたので この一本刀は途中で帰ろうかと思ったのですが どんどん面白くなっていくので

最後まで見ました。 幸四郎さんの見たことのない芝居を見せてもらいました。

 

お相撲さんは 武士なので刀は二本差すのだそう。

駒形の茂兵衛さんは 渡世人なので刀は一本、で 一本刀土俵入り なんだそう。

 

いい物語でした。     6月23日観

 

 

     by  風呼     

 

          ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蜜蜂と遠雷 後日談

2017-06-18 22:49:19 | エッセー詩

 

主人公の一人 亜夜ちゃんが

ピアノコンクール本選で演奏した

プロコイエフ『ピアノ協奏曲 第二番』を

U-TUBUで聞いていると

夫が通りかかった

 

「ほら 亜弥ちゃんが本選で演奏した

『ピアノ協奏曲第二番』 よ」 と言うと

 

ショパンと シューベルトの違いも

分からない夫が

立ち止まって 暫く聞いていました

 

「塵くんが第三次予選で弾いた

『アフリカ幻想曲 op89』も聞いたけど

もの凄い迫力だったわよ」

 

 

本を読んでいる時は 早く結果を知りたいので

曲目は無視をしてページをめくった

 

実際、全く分からなかったし

 

読み終えると 何だか無性に

三人が弾いた曲がどんなだか

知りたくなった

 

マサルが プロコイエフ『ピアノ協奏曲第三番』

 

塵くんは バルトーク 『ピアノ協奏曲第三番』

 

全部聞いてみました

 

 

村の居酒屋の踊り とか

小鳥に説教する アッシジの聖フランチェスコ 

とかの副題がないので

 

それぞれ

10回は聞かないとイメージは涌かないでしょう

 

 

こんなに早くて難しい曲を

暗譜で弾くなんて ピアニストって

超優秀な頭脳の持ち主と 感服

 

 

この本は 次姉から 長姉を経て

私に廻って来たものですが

 

クラシックに全く造詣のない

義兄も私の夫も

ちゃんと読み切りました

 

で 我が家でも 冒頭の

主人公の名前での会話も成立

 

 

何とも魅力的な 本に出合いました

 

 

 

       by   風呼       

 

 

               ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

”親鸞” 激動編 上下巻  五木寛之著

2017-06-15 23:25:34 | 

 

先日読了した ”親鸞” は 青春篇と呼ばれるそうです。

 

この後も 完結編 上下巻と続きます。

 

青春篇は 越後に流されるまで。

 

激動編は 越後、 そして刑期を終え 招かれた関東での出来事が描かれています。

 

親鸞には 資料が殆どないそうです。

”歎異抄” の作者であることすら 知られてなかった。(弟子の唯円が書いた)

近年、妻恵信と娘との書簡が発見され その存在が改めて証明されたという具合だそうです。

 

五木寛之の親鸞は 比叡山での20年にも亘る厳しい修行に耐えた徳僧にも拘わらず 妻帯にも現れるように 煩悩多き現実主義者として描かれています。

 

 

易行念仏(いぎょうねんぶつ)と言われます。

ただ「南無阿弥陀仏」とさえ唱えれば 極楽浄土へ導かれる。 信者との問答が繰り返し繰り返し行われ、 奇跡は起こらない、 唱えることによって 希望が沸いてくる と。

私もそんな気がしてきました。

 

そもそも お釈迦様は 難しい書物など 残されなかったんですよね。

 

物語は 青春篇に続いて、架空の人物が大活躍のはらはらドキドキものです。

 

宗教の名を借りた 大娯楽小説。

 

女房達が出奔同様に出家、 たぶらかしたとして後鳥羽上皇の檄に触れ 鴨の河原で打ち首になった 法然の弟子 美男 美声で名を馳せた 安楽房遵西(あんらくぼうじゅんさい)は実在の人物だそうです。

この事件の後、法然上人 親鸞他も流罪になります。

 

かなり難しい読み方の名前や 仏教用語も沢山出てきますが 開いた2ページ毎に かな が振ってあるので とても読みやすい。

 

 

  完結編も楽しみな

      風呼  でした    

   

 

           ブログランキング・にほんブログ村へ

            

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

声の ギアチェンジ

2017-06-14 15:15:48 | エッセー詩

 

演歌も

そうだと思うのだが

 

ジャズボーカルは

基本 地声で歌うので

 

高音部 もしくは低音部は

喉で ギアチェンジが必要

 

これが なかなか難しい

 

”ウラ”と呼ばれる声で

歌っていた数十年は

声が出るか出ないかが勝負の

ノークラッチ状態

 

歌い続ければ

地声も

そうなれるのかしら

 

 

 

      by   風呼      

 

 

              ブログランキング・にほんブログ村へ

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「 お若いんですね 」

2017-06-09 22:39:00 | エッセー詩

 

「あら 48才でいらっしゃいますの

お若いんですね」

 

これは

見た目はもっと老けているということ

 

 

「え~っ 70才

お若いんですね」

 

これは

とてもその年には見えないということ

 

 

「あらあ

” お若いんですね ” 」

 

ええ

気持ちばっかり

  

 

 

     by  風呼     

 

 

            ブログランキング・にほんブログ村へ

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蜂蜜と遠雷 恩田陸著

2017-06-04 18:01:14 | 

 

2017年度 本屋大賞 受賞、

第156回 直木賞受賞 作品です。

 

あるピアノコンクールの二週間が 1人のクォーターと3人の日本人出場者、 1人の日本女性審査員の視点から描かれています。

 

課題曲の演奏模様が 細かく描かれ、 ピアノ曲にそんなに明るくない私をも ぐいぐいと演奏会場へと引っ張って行ってくれます。

 

    

本は こんなに分厚く

 

                      

こんなにぎっしりと文章が詰まっています。 

読み進まない、進まない と 思っているうちに

あら もう終わってしまうの に到達。

 

この本は   

4人の出場者の課題曲を聴きながら(私はU-TUBUで) 描写されている部分を読み返す楽しみがあります。

 

なあるほど こうなんだ、 思っていたよりも情熱的 とか。

 

税抜きで 1800円。

本って こういう物だったわよね。

 

この作品は ハードブックで読みたい。

 

 

これを映像化するとしたら フランスで父親の養蜂業を手伝う 蜂蜜王子には 村上虹郎くん、 年齢上限ぎりぎりの社会人出場者に 高橋一生さん、 消えた天才少女の20才に 満島ひかり(ちょっと頑張ってもらって) 審査員のピアニストに 木村佳乃さん 身長188㎝のクオーター 19才の万能プレーヤー には 誰かいるのかな~ 等、 キャスティングを考えるのも楽しい。

 

 

 ピアノ曲って こんなに奥深かったんだ。

 

      風呼  でした     

 

 

          ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

神様が 休めって

2017-06-01 09:31:37 | 日記詩

 

右足の小指を

骨折

 

へーぇ

指の骨って

こんなに足首寄りなんだ

 

忙しかった

と 云うより

忙しくしていたので

 

神様が

少しゆっくりしなさいって

教えてくれているんだね

 

 

良かったね

 

神様が 君にいてくれて

 

 

     by  風呼      

 

 

           ブログランキング・にほんブログ村へ

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする