中村勘九郎の長男勘太郎・次男長三郎の 初舞台です。
鬼の大将は 父勘九郎。
父と叔父七之助も この演目で一緒に初舞台を踏みました。
観たような。
お供は 左から染五郎の犬 松緑の猿 菊之助の雉。
化粧が巧妙で 松緑の猿以外一見してわからない。
菊之助は凛とした声で分かったが 染五郎は声まで違って聞こえ 代役かと思ったほど。 染五郎って ほんと役者やなあ~
花道を堂々と進む勘太郎くん 前との差がどんどんひらいて行くが マイペースで慌てることなく堂々と 長三郎くん。 二人とも大物の予感。
出番も多く 三才の長三郎くんには大仕事だったでしょう 天晴です。
祝い幕です。
一階正面入り口。 ご挨拶です。
夜の部 二幕目は ”絵本太閤記 尼ヶ崎閑居の場”
主君の 小田春永を討ち 尼ヶ崎に隠遁した母の元にやってきた武智光秀の話です。
芝翫の光秀 その息光義に鴈治郎 真柴久吉に錦之助 って ああ先代とこんがらがって頭がピーマン状態です。
こちら 新 橋之助。
真柴久吉の家来 佐藤正清役です。
眠気が吹っ飛ぶ 初々しくも 目を瞠はる好演でした。
三幕目が 思いがけず 名舞台でした。
演目は ”梅ごよみ”
左 立ち姿は芸者仇吉の 菊之助 すれ違う丹次郎(染五郎)に一目惚れ。
右 許嫁のお蝶(児太郎)を送りに行く 丹次郎。
丹次郎は 実は芸者米八(勘九郎)の色なのです。
この後 丹次郎の乗った舟は 花道を通って行きます。
仇吉の拵えた丹次郎の羽織を巡って 米八と恋のさや当て。
深川芸者は 辰巳芸者とも云うそう。
きっぷのいいのが売りです。
あわや 刃傷沙汰に!
でも結局 丹次郎さまは 許嫁と結ばれます。
菊之助さんの辰巳芸者振りは 文句なし。
勘九郎さんも 思いのほか嵌まりです。
ちょっと無骨な女形は 母方の祖父 七代目芝翫を彷彿とさせます。
花道脇の 一等席、 私には贅沢でしたが 大満足でした。
勘九郎の奥さんもいらしてました。 楚々とした美しい人でした。
by 風呼