10月の歌舞伎座は 十八代目中村勘三郎の七回忌追善公演です。
仁左衛門は 生前の勘三郎に『助六』を子息に伝授すると約束をされていたそうです。
夜の部、最後の演目です。
揚巻を 七之助、白酒売り実は曽我十郎を 勘九郎。
仁左衛門(サマ)の助六の立派な事!
この方は本当に着流しが良く似合う。 御所五郎蔵 と云い、腰 尺八が良く似合う。
ご存知 股くぐりで 通人役の彌十郎さんが 十八世勘三郎さんもやったこの役をやれて光栄と仰っていました。 そうそう、團十郎さんの助六、菊五郎さんの白酒売りの舞台を 私も見たことを思い出しました。
勘三郎さんの股くぐりの面白かったことと云ったら。
夜の部の 第一幕は 『宮島のだんまり』
だんまりとは 暗闇の中で 手探りで善悪乱れ動くさまをいいます。
私は白波五人男 とかで観たことがあります。
清盛だの(彌十郎さん、立派!) 大江広元だの 相模五郎だの 白拍子だの 総勢12名が 無言で探り合いながら ゆっくり動くさまが面白い。
扇雀さんの 傾城、実は盗賊袈裟太郎の 花道の引っ込みです。
”傾城六方” と呼ばれるそうです。
”傾城六方” とは 手は六方の仕草で 足は花魁道中の 八文字を踏むことをいいます。
見応えがありました。
夜の部第二幕は 勘九郎の狐忠信の 『吉野山』です。
玉三郎の 静御前は ため息の出る美しさ。
こちらは 巳之助さんの お家芸、静御前追手の早見藤太。
故 父三津五郎さんより 滑稽味があります。
歌舞伎座は大賑わいでした。
もう 七回忌なんですね。
十八世は十七世に 歌舞伎座で追悼公演をやってもらえるようになれと言われていたそうです。
「型破りとは 型にはまってこそ」 十八世の言葉。
ご子息たちは ただ今型の中、破られる日も近いでしょう。
19日観
風呼 でした
お久し振り 小林聡美さんです。
共演は 癖が取れ美人ぶりが増した 貫地谷しほりさん。
物語は ご存知、日本最古の物語の 「竹取物語」
現代能楽集の シリーズⅨとなるそうです。
宝生流能楽師の 佐野登さんを加え時に仕舞となる登場人物7人のコンテンポラリーダンスのよう。
天井から床に届く8本(?)のゴム状の紐を 縦横に動かして 竹藪に見立てたりします。
科白を極端に絞った脚本は 詩人の平田敏子さんによります。
ダンサーの崎山莉奈さんの 鍛え上げられた腕(腕以外は衣装に隠れている)
大駱駝艦の小田直哉さんは変幻自在に役をこなされます。特に帝がよかった。
上演時間は休憩なし80分、スピーディで息をもつかせぬ展開に 客席からはくしゃみ一つも聞こえませんでした。
翁の 小林聡美さんは さすがの存在感、 かぐや姫の 貫地谷しほりさんは 人を突き放すように冷たく輝き かぐや姫の美しさを表現されました 。
10月17日 観
風呼 でした
親切は
私の 趣味だ
親切は 往々
おせっかいになるので
自重するようにしている つもり
親しくない 知人には
特に 。
けれど 全く知らない人には
ちょくちょく やってしまう
デパ地下 野菜売り場
ちょっと腰の曲がった年配の女性に
店員さんが説明していた
「インゲンはこの位 細い方が
美味しいんですよ」
「そう ちょっと長め 10分位茹でて
水をさっとかける」
「色止めですね」
「朝の味噌汁の出汁パックをとっておいて
一緒に茹でると もっと美味しい」
老婦人 感心しきり
Kハム売り場で
私もスープを作る時 必ず使うベーコンの切り落とし
店員さんに調理の仕方を聞いている人との会話に
参戦、
「ちょっとオリーブオイルを入れて
ベーコンがカリカリになったら取り出して
玉ねぎを炒めると美味しいですよ」
彼女が素直に喜んで呉れたからいいけれど
いけない いけない
少しは 自重しなくちゃ
風呼 でした