胸膨らませて通った高校は 神宮外苑にありました。
15才の告白
教室の真ん中の
通路を挟んで
私たちは
一番後ろの席だった
制服のYシャツのボタンを
二つはずしていた彼女を
さすが都会の子は違うと
私は眩しく見ていた
眠っても閉じきれない
大きな目
いつも八重歯を見せて笑っていた
彼女は
男子にも女子にも人気があり
つるんでいた私は鼻が高かった
ある日 絵画館前のベンチで
突然彼女は
「私 妾の子なの」
そう言って泣き出した
中学校を卒業したばかり
初めての電車通学で
新宿・渋谷を通学鞄を提げうろうろ
大人の気分だった私だったが
何のことか
一瞬 理解できなかった
「どうして家のお父さんだけ
週に一回しか帰らず
朝にはいないのか
いつも不思議に思っていたの」
妾の子 妾の子
突然突きつけられた現実に
大人は汚れている と思った
汚れた大人になんか
絶対にならない!
世の中を
反対の角度から見ることから
私の思春期は始まった
真の自由を手に入れたいが 大人にだけはなりたくなかった。
風呼r でした
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