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An Evening Of FOURPLAY <vol.2>

2010年01月05日 23時54分37秒 | JAZZ-Fusion
 第2部は第1部後半に引き続いて、第一作からの作品が続く。1曲目の「Wish You Were Here」は、オリジナルではバラード風というにはあまりにも淡彩な仕上がりだったが、ここでは更になだらかな起伏とゆったりとしたテンションで演奏されている。こういう演奏ではあれば、とかくだらけて間延びしたものになりやすい訳だけれど、そのあたりをぎりぎりのところで回避して、じわじわと演奏のテンションを上げていくあたり、練達の4人だからこそ楽しめるプロセスだろう。
 2曲目の「Moonjogger」はボブ・ジェームスのアコピのソロからスタート、かなり長目のソロだが、本編が始まってしまえばオリジナルの骨格はきっちりキープしているのは第1部と同様だ。ボブ・ジェームスの作品らしく、リズムもソロの配置もけっこう入り組んだ曲のハズだが、全然普通というかモノトーンな演奏に封じ込めてしまっているのが彼ららしい。

 次からは第2作からのセレクションへと移行。まずは3曲目「A Summer Child」はかのアルバムでもけっこう地味な曲だったが、ゴスペル風味が見え隠れしているあたりがいいスパイスになっている、演奏自体は前曲に引き続いてモノトーンでリトナーが実に気持ち良さそうにギターを弾いている。4曲目の「Amoroso」は非常に上品なソフィスティケーションされたラテン作品で、いかにもリトナー時代のフォープレイを感じさせる演奏、後半のリトナーとメイソンのちょっとしたバトルはいからもライブ的感興があって楽しい。
 比較的地味目の演奏が続いたところで第2部のハイライトになるのが「Between The Sheets」だ。オリジナル通りゲスト・ボーカルにチャカ・カーンを加え、濃厚なソウル風味とアンビエント的感触が渾然としていりまじったフォープレイとしかいいようがない演奏になっている。もちろんライブだからして、スタジオ盤以上に濃厚な作品だが、ここでのチャカ・カーンの存在感はさすが、一気にフォープレイの4人を配下にしてしまっている(笑)。オーラス前にはベイリーとペリーのボーカルもフィーチャーされている。

 ラストは「Flying East」はファンキーなリズムにのった、メイソンとイーストの一見普通、実は超強力なリズム・セクションのグルーブ感がいい。ラストだけあってノリもいい。DVDだとこのままエンド・タイトルになってしまうが、この部分でリトナーがウェス・モンゴメリーの「Bumpin' On Sunset」を引用しているのが洒落ている。そういえばリトナーがウェス・モンゴメリーのトリビュート・アルバムを作ったのは確かこの時期だったはずだ。
 という訳で、第2部はちと前半の数曲が<ちと中だるみのところがないでもなかったが、後半ではきっちりと盛り上げてくれたので、こちらも大いに楽しめた、満足である。できれば第2作目なら「Anthem」、デビュー作なら「Max-O-Man」といった曲も演奏して欲しかったところだが....。

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