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MILES DAVIS / A Tribute To Jack Johnson

2010年01月09日 22時28分58秒 | JAZZ-Fusion
 昨夜、ライフタイムの「エマージェンシー」を聴いて、「そういえば、最近、「ジャック・ジョンソン」聴いてなかったよな」など思い出して、今夜はマクラフリン絡みでこのアルバムも聴いてみた。もちろんこの作品、当然のことながらマイルス・デイヴィスのものなんだけど、ファンならご承知の通り、旧A面の「Right Off」の冒頭から、豪快なノリでぶちかましているジョン・マクラフリンのカッティッングがあまりにカッコ良すぎて、「ジャック・ジョンソン」といえば、わたし的には「ジャック・ジョンソンといえばマクラフリン」ということになってしまっているのである(そういう人多いのではないか?)。とにかく、このくらいカッコ良いリフというのもないのではないと思う。ファンキーなリズムにのって、ザクザクしたギターのリフ、そしてまるでオブジェのようなソロを自由にぶん投げているような感じなのだが、この豪快さが実にカッコ良く、ある意味でロック以上にロック的なワイルドさを感じる。1970年にこういう音楽がジャズから出てきたというのは、ある意味画期的だったと思う。

 曲はご存じの通り、ほとんどジャム・セッションであり、冒頭のリフともつかないリフだけが決まっていて、おそらく何テイクかだらだらと録り直していったのだろう。ここに収録されている演奏だと、2分過ぎたところでマイルスのトランペットが御大よろしく入ってきて、およそこの数年前の演奏とは質的にも感覚的にも違ったソロを展開しているのだけれど、そのアブストラクトさといい、ノイジーなセンスといい、バッキングというにはあまりにオンにリミックスされたマクラフリンのギターの方が、圧倒的な存在感を放っているのはまさに音楽の妙としかいいようがない。もちろん、マイケル・ヘンダーソンとビリー・コブハムが作り出すファンキーなリズムの「濃さ」あってこそ、このギター・リフなんだろろうけれど、ともかくここでのバンド全体のグルーブ感は、マイルス・デイヴィス自身ですら、二度と再現できなかったのではないかと思うほど希有なものだ。別セッションを挿入したとおぼしき中間部が終わると、再び冒頭のリフが再現されるが、こちらはオルガンも加わってさらに熱っぽい演奏になっている。

 後半部分のリフも死ぬほどカッコいい。マクラフリンがどうしてこんなファンキーなカッティングをしているのか、よくわらかないところもあるのだが(誰かが持ち込んだテーマなのか)、ファンキーもどき、ロックもどき、フリージャズもどきでギトギトと攻めまくったところで、再びテーマが回帰するあた呼吸もよいし、とにかくカッコ良すぎである。マクラフリンはマイルス・バンドの後に、マハビシャヌを結成して傑作も何作が生み出す訳だけど、はたしてこれ匹敵する瞬間を生み出させただろうか?....などと考えると、ちと複雑な気分にもなるのだが。
 ちなみにこのアルバム、旧B面の方は全く別のセッションで音楽的にも全く趣が違う(ギターはおそらくマクラフリンではないだろう)。どちらといえば「イン・ア・サイレント・ウェイ」系列の音楽で、こういうスペイシーな音楽も悪くないが、やはり旧A面より大分落ちると思う。

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