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ベスト・オブ・ウィンナ・ワルツ 第2集/エシェベ&ウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団

2010年01月05日 00時12分57秒 | クラシック(一般)
 こちらは第2集、リリースされたのは第1集の翌年だが、収録そのものは1990年8月に行われたのと第1集と同じセッションで行われているようだ。第1集の方に「こうもり」「皇帝円舞曲」「美しく青きドナウ」「ラデツキー行進曲」といった超有名曲が入っているから、第2集の方は多少地味な選曲だが、「春の声」「ピチカート・ポルカ」が入っているのはカラヤンとクライバーによって、同曲がにわかに人気曲になった当時の状況が伺われる。同じように「芸術家の生涯」や「加速度円舞曲」はクライバー、「天体の音楽」はカラヤン、「常動曲」はアバドにあやかっているのだろうか。いずれにしても、今となっては「あの時代」を感じさせる懐かしい選曲ではある。また、トップが「春の声」で、ラストが「常動曲」で締めくくられる構成も洒落でいる。第1集に比べ、この第2集の方はそれほど、聴き込んだ記憶がないのだが、昨夜に続いて懐かしさついでにターンテーブル(本当はCDのトレイ)に乗せてみた。

 うーん、こちらもなかなかいい演奏だ。「春の声」はパウワー・トイスルとかシュトルツほどローカル色が強い訛りはないし、鄙びてもいないが、ボスコフスキーのほど角張っておらず、バランスのいい中庸の美といった「ほど良さ」がいい。「天体の音楽」はカラヤンの超ロマン派的な交響詩とでも呼びたいような名演がある以上、あれを越えるのはなかなか難しいところが、ロマン派的情緒を誘う序奏部分はけっこうあっさり流し、ワルツとなってからのウィーン的な舞踏曲として勝負しているというところだろうか、これはこれで悪くないと思う。そもそもそういう曲なんだろうし。「芸術家の生涯」と「加速度円舞曲」は当時クライバーの颯爽とした演奏があまり印象的だったので、こちらの演奏はほとんど記憶に残らなかったが、今聴くとあっさりとしたウィーン情緒と適度な推進力のバランスがいい感じで、耳に心地よく響く。「常動曲」は最近の演奏にありがちなアクセルを踏みすぎたスポーティーな演奏ではなく、どことなくローカル鉄道に乗って車窓から田舎の風景を見ているような、のんびりした演奏で、これがなんともいえなく情緒があっていい。

 という訳で、この第2集もけっこう楽しめた。ところでさきほど調べてみたら、現在のウィーン・ヨハン・シュトラウス管弦楽団はここで振っているアルフレッド・エシェベから、指揮者はマルティン・ジークハルトやオーラ・ルードゥナーといった人達に変わっているらしい。エシェベは一見してヨハン・シュトラウスばりのちょっと愛嬌のある風貌でニューイヤーにはなかなかマッチした人だったけど、あれから20年、今はどんな感じなのだろう?。ついでに、今でも来日公演は相変わらずハープなし、打楽器最小といった倹約した編成でやっているのだろうか(笑)。

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