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久保田早紀/天界

2005年11月07日 21時38分52秒 | JAPANESE POP
 79年に「異邦人」のメガトン・ヒットで彗星の如くデビュウした彼女の第2作。「異邦人」という作品は、よくいわれるようなエキゾチックな風味で受けたというより、天満空を行くというか、どうやったらこういうメロディーがわき出てくるんだろうという?と思うくらいに緩急自在奔放な旋律がむしろ魅力だったと思う。デビュウ直後の女性ミュージシャンには、往々にこういう神かがった創作をすることあって、彼女の他にもケート・ブッシュとか飯島真理などもデビュウしたて頃など、まさに天からメロディーが降ってくるような曲を書いてものだったが、久保田早紀の場合、一発屋などと揶揄されてはいるが、多少音楽的な傾向は変化させるものの、こうした水準を第5作「見知らぬ人でなく」まで維持したのだから、職人としても大したものだと思う。

 この第2作は、初期の彼女のもっているエキゾチックな異国情緒と少女趣味的なファンタジーと歌謡曲的なメロディーが一番いい形でアルバムにまとまった初期の代表傑作だ。もちろん大ヒットした第1作の初々しさも捨てがたいものがあるが、収録されたどの曲のどれもが久保田早紀的な個性とニューミュージック歌謡的ポピュラリティがきちんとバランスして、どれも文句のつけようもないくらいに充実している点が素晴らしい。特に「シャングリラ」「天界」「葡萄樹の娘」「25時」あたりみせつける、ツボを突きまくった旋律とエキゾチックなセンスのドッキングは圧巻で彼女の最良の部分を。ボサ・ノヴァのリズムで歌われる幽閉の少女の思わせるファンタジー趣味もドキドキするものがあるし、フュージョン風なバックにのって開放的に歌われるサマー・ミュージック的な「真珠初頭」のポップさもいい。ついでに書けばアレンジは萩田光雄のアレンジ久保田早紀と絶妙のマッチングで、発売から四半世紀経過してはいるが、個人的には永久保存版的な愛聴盤である。
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1 コメント

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Unknown (ritornel)
2005-11-09 13:52:25
おひさしぶりです。

わたしも「天界」は愛聴してました(レコードしかないもので)。

「♪インダスの水に~」というフレーズは、今でも気がつけば口をついて出てきますね。このアルバム、あえて難を言えば、ベースがいかにも当時の邦楽臭プンプンなのが惜しい。スクワイアかジョン・キャンプみたいだったらなあ。

久保田早紀は、あと3rdのファド風ポルトガル録音の面も大好きでした。

この後、邦楽女性アーティストは吉田美奈子、大貫妙子以外聴かなくなって、次に久保田早紀的に大はまりしたのは97年新居昭乃「空の森」でしたが、それはまた別の機会に。
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