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荻野目洋子/Pop Groover

2008年11月12日 23時25分51秒 | JAPANESE POP
 「洋楽ロックファンに受けるアイドルの系譜」という話をどっかで聴いたことがある。硬派のロックファンでもコイツなら許せる....的な人達の連なりもだったような気がするのだがよく覚えていない。覚えているのは、その系譜の最大の存在はやはり森高千里だったということ。そして、森高千里が王座に収まるまで、その系譜にトップに君臨していたのが、荻野目洋子だったということだ。こういう系譜にはチャラチャラした松田聖子だとか、直球ど真ん中みたいな斉藤由貴などはは入らないのだが、荻野目洋子といえば、松田聖子や斉藤由貴とほぼ同時期のアイドル群にあって、「歌のうまさでは一等地を抜けた本格派」みたいなと評価があったし、あまり媚びたところないルックスといったところがある種エクスキューズになってロックファンに受けていたような気がする。

 さて、私といえば森高千里については、アルバム全部を所持する問答無用の大ファンだったけれど、荻野目洋子についてはあまり入れ込んだ記憶がない(ルックスでいえはお姉さんの慶子のが好きだったしなぁ-笑)。確かに歌はうまいのだが、音楽がユーロビートの本案だったり(本家ユーロビートは大好きだったのだが)、歌っている歌詞のテーマが原宿だのヤンキーまがいの生活感だったりで、どうも自分が好きな音楽との接点がみつからないし、前述のとおりやがて森高という巨大な存在が現れると、この人の音楽も存在感もすっかり地味になってしまったみたいなところがあるのである。なので、自宅をさがしてみると彼女のアルバムも5枚や6枚は出てくるのものの、はてその音楽の中身はというほとんど記憶のデータベースに該当するものがない....という実情なのだが、例外といえるアルバムが「CD Rider」と、この「Pop Groover」である。

 「Pop Groover」は当時人気絶頂だった彼女のそれまでの活動を捉えた一種のベスト盤であるが、再録や初収録の曲なども多く、ほぼレギュラー・アルバムに準じた扱いされていたような記憶すらある。で、このアルバムの何がよかったのかといえば、アルバム最後に収録3曲、つまり「北風のキャロル」「D2D」「ノンストップ・ダンサー」が異常に素晴らしかったからだ。「北風のキャロル」は筒美恭平の哀愁のメロディー、「D2D」は荻野目の歌唱力のすごさがちょっと背伸びしたAORに結実した極上の作品、そして「ノンストップ・ダンサー」は、若き日の小室のクレバーなセンスが炸裂する緩急自在のテクノ・ポップ歌謡の傑作といった感じで、この3曲だけは何故か私に異常に波長が合い、この3曲だけなら現在でも頻繁に聴いているほどなのである。
 
※ そういえば、先般巨大な落日を迎えた小室哲哉だけど、小室といえば、私にとって「ノンストップ・ダンサー」と「愛しさと切なさと心強さと」が2曲が双璧である。

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