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メンデルスゾーン 弦楽八重奏曲/ゲヴァントハウス&ベルリンSQ

2007年02月25日 10時47分54秒 | クラシック(一般)
メンデルゾーンが16歳の時に作曲した弦楽四重奏×2というちょっと変わった編成による曲。メンデルゾーンは一種の神童だったようで、これをつくった翌年はかの有名な序曲「真夏の夜の夢」なども作っているけれど、恐らくそれと並ぶ傑作がこれだと思う。メンデルスゾーンは天から降っている音楽を次々に捕まえて、単に楽譜という形に翻訳しているだけなんじゃないかと思うくらいに、音楽は自然で作為がなく、伸びやかで天衣無縫、罪がない美しさにあふれていながら、造形は完璧にととっているというある種奇跡的な音楽になっている。この種の天才の若書きによるとんでもない作品といえば、モーツァルトの初期の作品がそうだけれど、この曲はクラシック音楽としてはそれに匹敵するほとんど唯一の作品なんじゃないかと思う。

 第1楽章は演奏時間に14分を要する長大な曲だけれど、格調高い壮麗さを持ちつつ、つい微笑んでしまいそうな邪気のない第1主題からして魅力的で、これを一見無造作に気分のおもむくまま取り扱っているようでいて、完璧なプロポーションのソナタ形式になんなく昇華して、最後まで一気に聴かせてしまうあたりモーツァルトの天才を思わずにおかない。緩徐楽章である第2楽章は厳かなで敬虔な雰囲気を持っている。全体は楚々として流れていくのだが、途中何回か感情的に高揚する部分や慰めに満ちた平安な場面になったするところがあり、そのあたりの配置がなんとも絶妙、

 この曲で恐らく一番有名なのが第3楽章で、最近はそうでもないらしいけど、大昔は単独でも取り上げてたりしたらしい。ちょこまかと動く弦楽器のせわしなさに「真夏の夜の夢」と共通するような夢幻性というか、メンデルゾーンらしいファンタジーを感じさせつつ、一陣の風のように通り過ぎる。第4楽章は第1楽章の壮麗なムードと第3楽章的なファンタジーが合わさったようなプレストによるフィナーレで、ソロ・ヴァイオリンなども活躍して華やいだムードで盛り上がるが、ハイライトで繰り返される転調につぐ転調の部分の転移無法さなど、やはり天才の閃きを感じさせる。。

 ちなみにこの曲は弦楽合奏でシンフォニックに演奏することあり、実は私などこの曲を知ったのはこちらの方であった。確か演奏はメータとイスラエル・フィル(!)のものだったと思うが、壮麗さのよく出た良い演奏だったと思う。もうずいぶん長いことこのCDを探しているだが、未だに手に入れることができないでいる。まぁ、そのかわりといってはなんだが、ついて先日、マリナーとアカデミーが演奏しているデッカ盤を手に入れることができた。こちらはついては近日中に聴こうかと思っている。

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