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・スヴャトスラフ・リヒテル (Live_66)
ネット上での様々な評判を耳にして聴いてみたい演奏だったのだが、HMVやタワーでも見つからず、どうも廃盤と諦めていたところで、某動画サイトにアップロードされているものを聴くことが出来た。劣悪な音質だったが、ガツーンと来る胸に響く低音、カッキーンと鳴り響く高音のきらめきなど、力感溢れるピアニスティックな音色。ぶっといナタを振り下ろすような剛直さと突き進むような推進力も魅力的で、これは一聴して凄い演奏だと感じた。この曲の演奏では、最近、アラウのグランドスタイルな重厚さに魅力を感じているが、こちらも負けず劣らず素晴らしい。圧縮音源などでないきちんとしたCDで聴いてみたいものだ。
・ジョン・オグドン
これも某動画サイトにアップされていたおそらくかなりレアな動画。オグドンといえば、精神を病むなど数奇な生涯を辿ったこと、あとブゾーニ作曲の巨大なピアノ協奏曲を弾いた人といった、割と異端のピアニストみたいなイメージがあったのだけれど、この演奏ではそういうエキセントリックなイメージは余りなく、非常にスポーティーかつきらめくように爽快な演奏という印象だった。あと、どんな部分も軽々と弾きこなす、もの凄いテクニシャンぶりも印象的で、かなり込み入ったところでも、ずり下がった眼鏡を余裕で直す様なんか、けっこう笑ってしまった。いずれにしてもこの演奏、作品に没頭し、共感しつつ熱く演奏するというタイプではなく、割と作品を突き放し、客観的に演奏しているというイメージも強かった。これは彼が作曲家という側面があったことも無縁ではないと思う。
・アルフレッド・ブレンデル
これも名盤として知られている演奏。一聴して、リヒテルやアラウのような剛毅さや重量級はないが、全編を通じてタッチの明晰さ、緊張感と安定感に満ちた演奏で、どこをとっても「これがオレの結論」といった、迷いのない自信というかオーラのようなものが演奏から満ちていて、さすがに名盤の誉れ高いアルバムのことだけはあるという印象だ。前述の通り、タッチや音色という点では中~軽量級な感じではあるのだが、聴いていて得もいわれぬ充実感もあり、まるでベートーベンのピアノ・ソナタを聴いているような格調高さや端正さ、あと、なんていうか「いかにもこれが正統です」といった風格を感じさせるのはやはり演奏の妙といったところなのだろう。かなり気に入った。
・エマニュエル・アックス
多分初めて聴く人で、隅々まで端正に弾いているだが、前述のブレンデル以上に、タッチが軽く柔らかい印象で、ブレンデルがベートーベンだとすれば、この人はモーツァルトの線、いってしまえばややサロン音楽的な印象もある。まぁ、そういう演奏なので、この曲のエグさ、情念といった部分では今一歩な感があり、総じて中庸の美徳的演奏というところだろう。ただし、じゃぁ、それがつまらないかというと、意外にもそうではなく、何度か聞いていると、ショパン的抒情はもちろんだが、その端正な演奏からこの曲に潜んでいるスタティックな美しさが伝えてくるようなところもあって、これはこれでけっこうな味がある演奏だと感じた。
ネット上での様々な評判を耳にして聴いてみたい演奏だったのだが、HMVやタワーでも見つからず、どうも廃盤と諦めていたところで、某動画サイトにアップロードされているものを聴くことが出来た。劣悪な音質だったが、ガツーンと来る胸に響く低音、カッキーンと鳴り響く高音のきらめきなど、力感溢れるピアニスティックな音色。ぶっといナタを振り下ろすような剛直さと突き進むような推進力も魅力的で、これは一聴して凄い演奏だと感じた。この曲の演奏では、最近、アラウのグランドスタイルな重厚さに魅力を感じているが、こちらも負けず劣らず素晴らしい。圧縮音源などでないきちんとしたCDで聴いてみたいものだ。
・ジョン・オグドン
これも某動画サイトにアップされていたおそらくかなりレアな動画。オグドンといえば、精神を病むなど数奇な生涯を辿ったこと、あとブゾーニ作曲の巨大なピアノ協奏曲を弾いた人といった、割と異端のピアニストみたいなイメージがあったのだけれど、この演奏ではそういうエキセントリックなイメージは余りなく、非常にスポーティーかつきらめくように爽快な演奏という印象だった。あと、どんな部分も軽々と弾きこなす、もの凄いテクニシャンぶりも印象的で、かなり込み入ったところでも、ずり下がった眼鏡を余裕で直す様なんか、けっこう笑ってしまった。いずれにしてもこの演奏、作品に没頭し、共感しつつ熱く演奏するというタイプではなく、割と作品を突き放し、客観的に演奏しているというイメージも強かった。これは彼が作曲家という側面があったことも無縁ではないと思う。
・アルフレッド・ブレンデル
これも名盤として知られている演奏。一聴して、リヒテルやアラウのような剛毅さや重量級はないが、全編を通じてタッチの明晰さ、緊張感と安定感に満ちた演奏で、どこをとっても「これがオレの結論」といった、迷いのない自信というかオーラのようなものが演奏から満ちていて、さすがに名盤の誉れ高いアルバムのことだけはあるという印象だ。前述の通り、タッチや音色という点では中~軽量級な感じではあるのだが、聴いていて得もいわれぬ充実感もあり、まるでベートーベンのピアノ・ソナタを聴いているような格調高さや端正さ、あと、なんていうか「いかにもこれが正統です」といった風格を感じさせるのはやはり演奏の妙といったところなのだろう。かなり気に入った。
・エマニュエル・アックス
多分初めて聴く人で、隅々まで端正に弾いているだが、前述のブレンデル以上に、タッチが軽く柔らかい印象で、ブレンデルがベートーベンだとすれば、この人はモーツァルトの線、いってしまえばややサロン音楽的な印象もある。まぁ、そういう演奏なので、この曲のエグさ、情念といった部分では今一歩な感があり、総じて中庸の美徳的演奏というところだろう。ただし、じゃぁ、それがつまらないかというと、意外にもそうではなく、何度か聞いていると、ショパン的抒情はもちろんだが、その端正な演奏からこの曲に潜んでいるスタティックな美しさが伝えてくるようなところもあって、これはこれでけっこうな味がある演奏だと感じた。
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