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リムスキー・コルサコフ 序曲「ロシアの復活祭」  聴き比べ

2010年04月05日 21時10分08秒 | クラシック(一般)
 Twitterのタイムライン(TL)で、「今日は復活祭」旨の書き込みを読んで、ふと前々からやろうと思っていた、リムスキーの序曲「ロシアの復活祭」の聴き比べをしてみようかと思い立った。私はもともと「シエラザード」を筆頭にリムスキーの作る華麗なオーケストレーションが大好きなのだが、中でもこの曲は15分程度のサイズの中に、敬虔なコラール風の旋律、ダイナミックに展開するオーケストラの迫力、リズムのおもしろさなどなどを盛り込んで、この手のスタンダローンな管弦楽曲としてはチャイコフスキーの「ロミオとジュリエット」などと並んで、特に好きな曲だったのでいい機会であった。では、例によってTLにつぶやいたログを元に簡単にメモってみたい。

・デュトワ&モントリオールSO
 このコンビが70~80年代にかけてデッカのアンセルメ路線を継承したアルバムを次々にリリースして人気を博していた頃の演奏。この曲はアンセルメの十八番でもあったことから選ばれたのだろう。この曲のファンタスティックなところを全面に出した演奏で、中間部のリズムや迫力はイマイチだが、非常に美麗な演奏で後述のジンマンとは違った意味で、明らかにロシア色が薄い西側的な洗練が感じられる仕上がりになっている。オーケストラも非常に美音で、こうして聴いてみるとやはりこのコンビは「80年代のアンセルメ&スイス・ロマンド響」だったと思う。

・ジンマン&ロッテルダムPO
 今やメジャーな巨匠になりつつあるジンマンが、70年代にロッテルダム・フィルを率いてフィリップスに残した演奏のひとつ。ジンマンは既にこの時期からリズムの切れが良く、音切れのいいサウンドを作っていて、このちょっとこってりとしたロシア物を、実にさっぱりとした、いかにも西側っぽいスタイリッシュな演奏に仕立てている。途中で出てくる込み入ったリズムの部分での交通整理も巧みなのだが、全体にオケが鳴りきってないような弱さを感じないでもない。

・ラザレフ&ボリショイSO
 ラザレフという人のことを私は全く知らないのだが、なんでも「ロシアのクライバー」と称されたこともあったらしい。ポジションを巡っていろいろトラブルもあったらしいが、現在でもロシアの有力な指揮者のひとりらしい。この演奏はエラーとに80年代に入れたもので、歌い込む旋律、野趣満々な強奏の迫力、思い切った緩急、リズムの推進力と、さすがに本場物の自信に満ちあふれた演奏という感じ。この曲を良さを知るにはスタンダードな演奏というところだろうか。

・ドラティ&LSO
 私はこの曲を20代前半の頃、フィリップスの廉価盤のフォンタナ・シリーズに収録されていたこの演奏で知った。そのせいか、やはり「ロシアの復活祭」というと、この演奏が一番しっくりと来る。リズムの切れの良さ、オケのドライブ感はやはり素晴らしいの一語に尽きる。しかも、50年前の収録とは到底思えない、異常に生々しい音質も素晴らしく、かつてLPで聴いたあのぼやけた音はなんだったのだろうと思ったりもする。それにしても、マーキュリー・リヴィング・プレゼンスの音は本当に凄い。どうして半世紀以上前にワンポイントで、こんな生々しくエグい音がとれたのだろう?。ついでにSACDの3chでもこれを聴いてみたが、定位が抜群に良くなり、もうほとんどマスター・テープそのものを聴いている気にすらなったほどであった。

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