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ブラームス 変奏曲集/ペーター・レーゼル

2007年02月25日 16時54分25秒 | ブラームス
 ブラームスは変奏曲の大家として有名で、ビアノを中心にして沢山の変奏曲を残しているのは有名な話ですが、「ヘンデル」と「パガニーニ」、そして管弦楽の方でハイドンと三つが飛び抜けて有名で、後はほとんど知られていないというのが現状だと思います。かくいう私もそうで、ブラームス愛好家を名乗りながら、前述の三つ以外はほとんど知りませんでした。ブラームスのピアノ曲は自宅にそこそこの数のCDもありますから、変奏曲もそのほとんどはいつでも聴けるにも関わらず「知らない」というのは、我ながら怠慢以外の何者でもありませんが、本日ひょんなきっかけで「自作主題による変奏曲 ニ長調 op.21-1」を聴いたところ、意外にも楽しめたので取り上げることにしました。

 さて、この作品、番号21の1ですから(ちなみに2は「ハンガリーの歌の主題による変奏曲」となります)、私の大好きな「ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ」にけっこう近く、曲の雰囲気もかなり共通するような部分が散見するのが注目されます。タイトル通りテーマは自作で、彼の作る歌曲によく出てくるような、厳かだがそこはかとない温もりがあるものです。そこからいくつかの変奏が続きますが、最初は原曲に寄り添うように変奏が始まり、徐々に幻想曲風、練習曲風な変奏が続き、次第にピアニスティックでダイナミックに展開となる訳ですが、このあたりの技巧とロマンの妙な混在ぶりがとても「ヘンデル」に近くて楽しめます。ただ、まぁ、この曲の場合、「ヘンデル」ほど入り組んでおらず、後半登場する劇的な変奏に向かって、比較的一直線に進んでいくような感じがあり、それが終わってしまうと、あとはエピローグみたいな感じになってしまうので、できることなら、もう一山欲しかったなぁと思わないでもないですが....。

 ちなみに聴いたディスクは廉価盤として分売された、ペーター・レーゼルの全集の第3巻です。私はこのピアニストをほとんど知らず、またディスクもこれだけしか持っていませんが、いかにもブラームスといった感じの、ドイツ的な重量感と生真面目なロマン派的情緒をよく表現していて、これといった特徴はありませんが、良い意味で保守的なピアニストだと思いました。一緒に収められた「ヘンデル」と「パガニーニ」は、ほんの少し早めのテンポで、この難曲をいかにもブラームスを聴いているという充実感とともに楽しませてくれます。私はブラームスのピアノ曲全集をゲルバルト・オピッツが演奏したものを持っていますが、このアルバムの内容からするとレーゼルの全集もかなり期待できそうですね。おっと廃盤か。

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2 コメント

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ペーター・レーゼルのベートーヴェンツイクルスが始まります (畑山千恵子)
2008-08-22 19:52:21
ペーター・レーゼルは、2007年4月29日、日本では1977年以来、30年ぶりのピアノリサイタルを行いました。ハイドン、ベートーヴェン、シューベルトの最後のピアノソナタというプログラムで、大変な名演でした。私も聴きに行き、大変感動いたしました。それから5月7日まで、ゲルハルト・オピッツの全集と聴き比べをしました。甲乙つけがたい演奏です。それから、12月4日、27日のゲルハルト・オピッツのベートーヴェンツィクルスを首を長くして待ち望み、こちらも聴きに行き、大変感動いたしました。今年で最後になります。そして、今年から、ベーター・レーゼルのベートーヴェンツィクルスが始まります。
今、ドイツを代表するピアニストとして、ペーター・レーゼルとゲルハルト・オピッツの名が一緒に挙がるようになりましたね。
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re:ペーター・レーゼルのベートーヴェンツイクルスが始まります (BlogOut)
2008-08-24 21:43:26
畑山さん、こんにちは。

>今、ドイツを代表するピアニストとして、ペーター・レーゼルと
>ゲルハルト・オピッツの名が一緒に挙がるようになりましたね。

コメントありがとうございます。今やオピッツもドイツを代表するピアニストになったんですね。BMGでブラ全を録音した頃は、今時めずらしいドイツ正統派の流れを汲む新鋭みたいな感じだったですから、うーむ、時の経つのは早いです。「21世紀のドイツ正統派」といえば、指揮の方では近年いろいろ出てきましたが、この人などさしずめその「はしり」だったのかもしれませんね。彼のベートーベンは聴いたことありませんが、あの頃のブラームスよりもっと熟成してそうですから期待もてますね。今度聴いてみます。あっ、ついでにベーター・レーゼルのブラ全まだ入手していません(涙)。
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