こちらは74年のデビュー作。既に何度も書いているとおり、このアルバムは当時大ヒットだったデオダードの2番手として企画されたのだと思う。ボブ・ジェームスはこれに前後してCTIはもちろんサラ・ヴォーンの編曲などもやっているから、その器用さを買われていよいよ一枚看板でデビュウといったところでもあったのだろう。クラシックのアダプテイション、ポップ・ソング、オリジナル作品等をゴージャズでシンフォニックなフュージョン・サウンドで展開するというCTI路線をこのアルバムはほぼ忠実になぞっているのだ。
ただし、現在聴くとやや異質な要素も散見する。1曲目の「Valley Of The Shadows」ては、カオスのような混沌したムードの中でバーバリックな響きが随所に聴こえてくるいわば「ビッチズ・ブリュウ」的な作品だし、「パッハルベルのカノン」を「In The Garden」のニューオリンズ風味や本作のハイライトである「はげ山の一夜」でのダイナミズムというかゴリゴリ感のようなものは、このあとどんどん姿を消していく要素なのである。つまりこのアルバムは、ボブ・ジェームスが本音とは別に「オレはデオダードやドン・セベスキーにもなれる」ことを証明したがっているアルバムのようにも感じたりするのだが、これは勘ぐり過ぎたろうか。
ともあれ、そんな後年を彼を標準にして聴くと、やや異質な要素が散見するこのアルバムで、これぞボブ・ジェームスといったスムースで上品、かつ知的なアレンジを聴かせるのが「Feel Like Making Love」。どちらかといえばアルバムでは捨て曲のポジションに置かれた曲ではあるが、様々な足枷と圧力があったに違いないこのデビュウ作に、ひっそりのこんな曲を紛れ込ませたあたり、ある意味、このあたりがボブ・ジェームスの本音ではなかったのかと再び勘ぐりたくなってしまうのだ。
ただし、現在聴くとやや異質な要素も散見する。1曲目の「Valley Of The Shadows」ては、カオスのような混沌したムードの中でバーバリックな響きが随所に聴こえてくるいわば「ビッチズ・ブリュウ」的な作品だし、「パッハルベルのカノン」を「In The Garden」のニューオリンズ風味や本作のハイライトである「はげ山の一夜」でのダイナミズムというかゴリゴリ感のようなものは、このあとどんどん姿を消していく要素なのである。つまりこのアルバムは、ボブ・ジェームスが本音とは別に「オレはデオダードやドン・セベスキーにもなれる」ことを証明したがっているアルバムのようにも感じたりするのだが、これは勘ぐり過ぎたろうか。
ともあれ、そんな後年を彼を標準にして聴くと、やや異質な要素が散見するこのアルバムで、これぞボブ・ジェームスといったスムースで上品、かつ知的なアレンジを聴かせるのが「Feel Like Making Love」。どちらかといえばアルバムでは捨て曲のポジションに置かれた曲ではあるが、様々な足枷と圧力があったに違いないこのデビュウ作に、ひっそりのこんな曲を紛れ込ませたあたり、ある意味、このあたりがボブ・ジェームスの本音ではなかったのかと再び勘ぐりたくなってしまうのだ。
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