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BOB JAMES / Heads

2005年12月10日 21時41分54秒 | JAZZ-Fusion
 77年にめでたくCTIを卒業し、CBS傘下に自らが主宰するタッパンジー・レーベルを興しての第1作(通算第5作)。極上のポップ・フュージョン人気アーティストとして名実共にそのキャリアを確立するのは、おそらく次の「タッチダウン」以降であり、このアルバムは丁度それとCTI時代の架け橋のような位置付けのアルバムになるのではないだろうか。ジャケット・デザインの方もここではCTI的な意味不明な重厚さを温存しているのは、まだまだボブ・ジェームスがCTIを抜けきっていないことを感じさせるに充分である。

 収録曲は全部で6曲だが、この中ではボズ・スキャッグスの「We're All Alone」が抜きんでた仕上がりを示していると思う。原曲の良さもあるが、この曲の都会的ムードに、リチャード・ティーによるやや濃い目のゴスペル風な味をあえてプラスした色合いが絶妙だし、中間部でボブ・ジェームスからマイク・マイニエリにスウィッチするソロもジャズ的感興も素晴らしいものだ。またビリー・プレストンの「You Are So Beautiful」もいい。グローバー・ワシントンJRとエリック・ゲイルをフィーチャーしたソウル・ナンバーで、バック・コーラスが絡むあたりのムードは今聴いても極上そのものである。

 オリジナル作品では「Night Crawler」が、バックにうっすらと流れるストリングスや時おり合いの手のように入るブラス・サウンドはCTI時代の残り香のようにものを感じさせる以外は、ほぼ現在にも通じる完璧なるボブ・ジェームス・サウンドだ。アルバム冒頭に収録された「Heads」は前々作のファンキーなリズムをより一層ソフィスティケーションしたような趣だか、少々いじくり過ぎな感もある。ピーター・フランプトンと「I'm In You」とパーセルのアダプテイションである「One Loving Night」は、CTI的なコンセプトだが、少々受けを狙い過ぎたのだろう、ボブ・ジェームスにしてはあざとい仕上がりとなってしまったようだ。

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