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007 カジノ・ロワイヤル

2007年09月02日 23時17分50秒 | MOVIE
 という訳で、ボンド役がブロスナンからダニエル・クレイグのスウィッチし新生007シリーズの第1作。31日に一通り観て、以降あちこちを拾い観しているところなのだが、配役が替わってところもさることながら、内容そのものが大幅にリニューアルしているのが、良くも悪しくも印象的だ。この作品ではジェームス・ボンドがダブル・オーの称号をもらった直後から始まり、現在ではすっかり確立されたボンド像か出来上がるまでのストーリーを描いており、いつものボンドとはかなり違うイメージが活躍するのは、ある意味ショッキングですらある。なにしろ全編を通じて傷だらけ、泥まみれで、ムーアやブロスナン時代の軽妙洒脱さといったものはほとんどなく、ハードでヴァイオレントなアクションの連続で、007というよりは、なんだか「ダイハード」を観ているような気になるのである。

 内容的にもこれまでの定石をけっこう打ち破っていて、冒頭のガンバレルなし、タイトル前の派手なアクション・シーンがなくモノクロな殺しのシーン(この後にガンバレルがでる)。マニー・ペニーとQは登場せず(!)、アクション・シーンでは中盤の旅客機爆破テロの阻止やラストのベニスのビルが倒壊するあたりは見せ場にはなっているものの、ストーリー的にはカジノの緊迫したやりとりが最大のハイライトとなっている点、あと、ラストで悪役と対決しないストーリー展開などなど、とにかくこれまでのパターンを一旦リセットし、ハードにゴリゴリ押した印象が強いのである。
 これはストーリーが「プレ007」だからこうなったのか、配役が替わったからそうしたのか、はたまた制作サイドのリニューアルの意図がそうさせたのか、当方にはよくわからないところもあるのだが、明らかにこれまでの007とは断絶した作品になっているのは確かだ。

 私など正直いってブロスナンのスマートで軽妙なボンドをもう1,2作くらいは観たかった人なので、ダニエル・クレイグのボンドはちと違和感がないでもないが、新生ボンドという点に関しては、ことブロスナンについても最初は大きな違和感を覚えたので、もう1作くらい観れば慣れてしまうような気もする。ただ、それにしたってこのダニエル・クレイグが今後、嫌みなスノッブ趣味で悪役を煙にまく、あのボンド像を演じるのかと思うと、現時点で「うーん?」と考えてしまう。
 ちなみに作品そのものは上出来である。監督はブロスナンの第1作でもメガフォンをとったマーティン・キャンベルで、カジノのシーンも含めてシャープで弛みない演出できりりとまとめている。

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