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音楽全般について 素人臭い能書きを垂れてます
プログレに特化した別館とツイートの転載もはじました

恐怖劇場アンバランス #3

2010年07月25日 23時29分23秒 | MOVIE
・ #2 死を予告する女
 「八月の濡れた砂」の藤田敏八の演出、蜷川幸雄、財津一郎、名古屋章らで送る、今となっては豪華極まりないスタッフによる一編。流行作曲家の前に突然現れた黒衣の女が、24時間以内に迫った彼の死を予告するというお話。徐々に精神的に追いつめられる作曲家を演じる蜷川幸雄の刹那的な演技も凄いが、黒衣の女を演じる楠侑子の凄みを感じさせる退廃的な美しさはいかにも60年代(この時代は小川ローザに代表されるようにこういう女性が沢山いた)。
 ドラマの様相が一向に明らかにならず、なぞめいた設定をどんどん配置し、後半にかけてにわかに追い込みをかけるように死が迫っていくミステリアスなムードの演出や出演陣がメリハリよく配置されたドラマ的メリハリなど、なかなかよく出来ているドラマになって、本シリーズでは傑作といっていいようなものだと思う。

・ #6 地方紙を買う女
 松本清張原作の有名な小説をドラマ化。地方紙に連載していた小説を購読するバーのホステスから、その原作者がその背後にある陰湿な事件を徐々に暴いていくという話しだ。ストーリーの骨格となった原作はそもそも有名ものだから、ストーリーは始めてから分かっていたが、徐々に真相が明らかにせずにはおられない小説家の破滅のプロセスがけっこう入念に描かれていて見応えがある。
 出演は井川比佐志、夏圭子、山本圭など、当時のテレビではお馴染みだった面々。今では忘れ去られた存在になりかけているが、主人公を演じる夏圭子がいかにもいわくありげな蔭のある女を演じていているのが印象的だ。彼女もまた彫りの深いクールな美しさがあり、いかにもこの時代ならではの退廃的なムードがある。

・ #7 夜が明けたら
 先日観た「日本の悪霊」の黒木和雄演出、町のチンピラに娘を襲われかけたところを助けだそうとして、逆に過剰防衛となり刑務所行きなった男の不可解な行動とそれを追いかける刑事をミステリアスに描いた作品。エフェクトのような音声が被さるドキュメンタリーっぽい作り、全容を徐々に明らかにして行くあたりの乾いた演出は「日本の悪霊」と共通した独特の雰囲気がある。
 また、当時の新宿がロケでふんだんに登場したり、途中、当時のアングラ歌手、浅川マキが登場して、当時の風俗をヒップに捉えているのも「日本の悪霊」と同じ雰囲気を感じる。主演はミステリアスな行動をとる主人公は西村晃、それを追いかける刑事がお懐かしやの花沢徳衛、事件巻き込まれ、すさんでしまう娘役に夏珠美といった布陣。夏珠美ってよく覚えていないが、今にも通用しそうなクールビューティー。

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