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レーガー ヒラーの主題による変奏曲 他/デイビス&バイエルン放送響

2007年09月01日 23時25分57秒 | クラシック(一般)
 確かCDの初期に購入したアルバムで、オルフェオ・レーベルの初期のものだったように思う。よりによってどうしてこんなにマイナーなレーベルのしかもレーガーの作品を収めたアルバムを買ったのか今となってはさっぱり覚えていないのだが、6月に取り上げたケーゲルとフランクフルト放送響との管弦楽曲集といい、レーガーという人は昔から気になっている作曲家ではあったのだろう。このアルバムには「変奏曲の大家」たるレーガーの代表作(らしい)、「ヒラーの主題による変奏曲」とフィルアップとして「舞踏組曲」の2曲が収録されている。

 さて、メインの「ヒラーの主題による変奏曲」だが、たった19小節(27秒)の主題に11の性格変奏とオーラスに大規模なフーガが付いた構成となっている。ヒラーという人はモーツァルトあたりと同時代に活躍した作曲家らしが、ここで選ばれたテーマはロココ風な典雅な趣とやや牧歌的なおだかやかさがあるもので、回顧的というかやや古くさい主題をもってくるあたり、ブラームスの「ハイドン・ヴェリエーション」を始めととして古今の変奏曲の常道ではあるけれど、ほとんどプロムナード・コンサートみたいなノリで始まり、変奏もしばらくはこのテーマの線で、穏やかで田園的、心地よいリラクゼーションをともなって進んでいく。

 第3変奏あたりから、曲はテーマの穏やかなムードからはぐっと跳躍して、後期ロマン派的なダイナミズム、大仰さなども少しづつ表に出しつつ、様々な世界を表出してみせ、さながに小宇宙のような様相を呈してくる。基本的にはブラームスの「ハイドン・ヴェリエーション」の延長線上にある音楽だが、全体の壮麗さ、過剰に肥大したスケール感のようなもの、例えば、元のテーマを忘れてしまうほどに大規模さは、マーラーあたりと共通する、いかにも後期ロマン派の最終ステージらしい、肥大した自我をもてあまし気味な音楽であり、それ故に爛熟した美しさがあると思う。ちなみに「舞踏組曲」の方は、まさにプロムナード・コンサート的なイージー・リスニング・ミュージックのような聴き易さのある作品だ。

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