このアルバムは、先日某動画サイトにアップされている演奏を聴いて、ぜひディスクで欲しいと思ったリヒテルによるリストのピアノ・ソナタが聴きたくて購入してきたアルバムである。本ディスクには幸いにも同じくリストのピアノ協奏曲の1番と2番が含まれていて(というか、実はこっちがメインでピアノ・ソナタはむしろオマケ)、後述するように、これら演奏は個人的にはけっこう思い出深い演奏であるので、今回は協奏曲の部分を取り上げてみることとしたい。
・ピアノ協奏曲第1番
リストのピアノ協奏曲第1番といえば、私は30年ほど前にこの演奏で慣れ親しんだ。確かフィリップス系列の廉価盤レーベルだったフォンタナから1枚1300円で出たものを購入したと思うのだが、CD時代になってからは、もっぱらブレンデルとハイティンクの演奏を聴いていたので、実に久々に聴くことになる。正直言うと、ブレンデルとハイティンクの演奏は、「ちょっと温和しすぎるんじゃないの」と思っていたので、この下品なほど豪快極まりない演奏は、個人的には「これだ」っていう説得力がある。冒頭のオケのざっくり切り込むような響きとリヒテルの豪放かつシャープなピアノが一体となって、重戦車みたいな迫力で進んでいく様は、当時でいう「東側」特有な凄みが漂っている。
・ピアノ協奏曲第2番
前述のフォンタナの廉価盤LPで、B面に入っていたのがコレ。華麗な1番に比べると、2番は冒頭の晩年のヴィスコンティ映画に使えそうな耽美的なムードや、チェロをフィーチャーした第3部の陶酔的な炉君ティシズムなどは魅力的だったのだが、全体としてみると、妙に散文的でとりとめがないところがとっつきにくく、魅力的に感じるまでけっこう時間がかかった記憶がある。今聴くと、前述のパートに挟まれた動的パートはかなり豪快な演奏で、メリハリが過ぎるような気もするくらいだが、それでさえとっつきにくいと思ったのだから、最初からブレンデルとハイティンクの演奏を聴いていたら、どんな印象を持ったことだろう。いや、作品のイメージからするとブレンデルの方がより正統な演奏という気はするのだが....。。
さて、この2曲だが、当時聴いていたフォンタナの廉価盤LPは、全体に音がモヤモヤしてナロウなものだったのだが、こちらはリマスターの成果なのか、目が覚めるようにクリアさ、エッジが切り立った腰の強い音に様変わりしているのに驚いた、念のためブックレットのクレジットを確認してみたらびっくり、なんとこの演奏マーキュリーのリヴィング・プレゼンスのスタッフで録音されているようだ。マーキュリーのリヴィング・プレゼンス・シリーズで出たのかどうかは分からないが、なるほど、今聴いても全く遜色のないこのエグ過ぎる音質はあきらかにリヴィング・プレゼンスである。当時全盛期を迎えていたリテヒルとコンドラシンの演奏が、このスタッフによって記録されたというのはまさに僥倖であったと思う。
・ピアノ協奏曲第1番
リストのピアノ協奏曲第1番といえば、私は30年ほど前にこの演奏で慣れ親しんだ。確かフィリップス系列の廉価盤レーベルだったフォンタナから1枚1300円で出たものを購入したと思うのだが、CD時代になってからは、もっぱらブレンデルとハイティンクの演奏を聴いていたので、実に久々に聴くことになる。正直言うと、ブレンデルとハイティンクの演奏は、「ちょっと温和しすぎるんじゃないの」と思っていたので、この下品なほど豪快極まりない演奏は、個人的には「これだ」っていう説得力がある。冒頭のオケのざっくり切り込むような響きとリヒテルの豪放かつシャープなピアノが一体となって、重戦車みたいな迫力で進んでいく様は、当時でいう「東側」特有な凄みが漂っている。
・ピアノ協奏曲第2番
前述のフォンタナの廉価盤LPで、B面に入っていたのがコレ。華麗な1番に比べると、2番は冒頭の晩年のヴィスコンティ映画に使えそうな耽美的なムードや、チェロをフィーチャーした第3部の陶酔的な炉君ティシズムなどは魅力的だったのだが、全体としてみると、妙に散文的でとりとめがないところがとっつきにくく、魅力的に感じるまでけっこう時間がかかった記憶がある。今聴くと、前述のパートに挟まれた動的パートはかなり豪快な演奏で、メリハリが過ぎるような気もするくらいだが、それでさえとっつきにくいと思ったのだから、最初からブレンデルとハイティンクの演奏を聴いていたら、どんな印象を持ったことだろう。いや、作品のイメージからするとブレンデルの方がより正統な演奏という気はするのだが....。。
さて、この2曲だが、当時聴いていたフォンタナの廉価盤LPは、全体に音がモヤモヤしてナロウなものだったのだが、こちらはリマスターの成果なのか、目が覚めるようにクリアさ、エッジが切り立った腰の強い音に様変わりしているのに驚いた、念のためブックレットのクレジットを確認してみたらびっくり、なんとこの演奏マーキュリーのリヴィング・プレゼンスのスタッフで録音されているようだ。マーキュリーのリヴィング・プレゼンス・シリーズで出たのかどうかは分からないが、なるほど、今聴いても全く遜色のないこのエグ過ぎる音質はあきらかにリヴィング・プレゼンスである。当時全盛期を迎えていたリテヒルとコンドラシンの演奏が、このスタッフによって記録されたというのはまさに僥倖であったと思う。
最近リストが結構面白く感じられるようになってきましたので、嗜好が変化してきたのかも知れないと危惧?しています。