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SHAKTI & JOHN MCLAUGHLIN / Natural Elements

2006年01月30日 01時08分32秒 | JAZZ-Fusion
 マクラフリンとシャクティのコラボレーション第3作(77年)。元々インド音楽のフォーマットにマクラフリンがいかに違和感なくとけ込むかという音楽スタイルで始まったこのシリーズですが、第3作ともなるとマクラフリンも大分要領を掴んだというか、なんだかんだといいながら結局は自分の土俵にシャクティを取り込んでしまったというか(笑)、ともかくマクラフリン流のアコスティック・ミュージックという感じの作品となっています。とりあえず主要な曲をメモっておきましょうか。

 1曲目「Mind Ecology」はホットな8ビートをベースにしたエキサイティング作品で、ギターとヴァイオリンのインタープレイはまさにマハビシュヌのそれ。ついでになにやらビリー・コブハムみたいなフィルインまで聴こえてきたりします。2曲目「Face To Face」は、ほとんどインド音楽とは関係ない70年代後半のフュージョン・フュージョン・ギタリストが良く聴かせたような無国籍アコスティック・サウンドで、ある意味ディ・メオラなんかと共通する感覚ですかね。結局、このあたりがその後のスーパー・ギター・トリオの活動に繋がっていくんでしょう。4曲目の「The Daffodil And The Eagle」は意外にもロード・ムービー風なブルース・ミュージックとシャクティ流インド音楽の融合で、じわじわと盛り上がっていく構成で中盤~後半は激辛。

 5曲目「Happiness Is Being Together」はカリプソ風な作品で途中のコーラスの一瞬ドキッ。6曲目の「Bridge Of Sights」はちょいとダークですが、基本的には2曲目同様な無国籍アコスティック・サウンドということになりましょうか。4曲目と近い感じなのが7曲目の「Get Down An Sruti」、いや、もうちょっとシャクティ本来の音楽性に近いですかね。これは本作全般にわたってえることですが、第1作のような集団即興音楽みたいな側面より、本作では各プレイヤーのソロ・プレイにフォーカスをあて、そのテンションでもって割とストレートに仕上げるみたいな曲が多いですが、ここでは打楽器がメインになフィーチャーされてます。ラストの「Peace Of Mind」はもはやニュー・エイジ風といってもいいような、淡い叙情に彩られた作品。

 という訳で、第3作にしてシャクティをほとんどバック・アップ・ミュージシャンにしてしまったからには、もうマクラフリンとして「やるべきことはやった」という感じだったんでしょうね。この後、マクラフリンはエレクトリック・ギターをもってフュージョンに復帰、ここで聴けるようなアコスティック路線はスーパー・ギター・トリオの方に継承されることになります。

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
シャクティ (nary)
2006-01-30 08:20:10
マクラフリンが変な方向へ行ってしまったということで、当時は賛否両論だったと思います。

私は好きだったですけどね。



TBさせてもらいます。

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re:シャクティ (webern)
2006-01-30 10:24:06
 私など再編シャクティから聴いたクチなので、ほとんど抵抗感ありませんでしたけど、当時はおそらくかなりの衝撃的な変貌だったんでしょうね。なにしろ、レッド・ツェッペリンがアゴキ使っただけでも賛否両論になった時代ですからね~(笑)。良い悪いでなく、あの頃と今の音楽的情報量の違いを感じます。
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