このアルバムのブックレットには、松本隆による「映画を絡めた男の女の別れのワンシーン」をごくごく短く散文風にまとめた小説がついてくる。映画をテーマにしたアルバムだからだと思うが、このアルバムの出た頃と名画座の終わろうとしていた時期が一致していたことも関係あるだろう。とにかく全共闘世代であれば、ちょいと胸がキュンとしそうな内容で、今読むと、ちょっと気恥ずかしいところもあるが、ヌーベル・ヴァーグからアメリカン・ニュー・シネマをみながら青春を過ごしたあの世代のムードが出ている。
南佳孝には夏物が多いが、このアルバムは収録曲にヌーベル・ヴァーグからアメリカン・ニュー・シネマの名作のタイトルを拝借した南佳孝が青春時代に遭遇しただろう映画へのオマージュみたい内容で、やはりというか当然というべきなのか、「水の中のナイフ」「避暑地の出来事」といった夏をイメージさせる作品が多い。南佳孝という人は、キザでちょいとヤクサなムードとポップさがほどよくブレンドした作品を80年代に連打して愛聴していたものだけど、このアルバムは彼の「映画への想い」みたいなものがよほど強かったのか、彼流のキザなノリや時流に迎合し過ぎたポップ感覚が影を潜め、かなり重厚な仕上がりになっている。それゆえに当時はあまり受けなかったようだが、そうした音楽であるからこそ、今聴いてもほとんど時代的な誤差を感じないものになっているのも確かだ。
曲としては、「突然の炎の如く」「水の中のナイフ」「避暑地の出来事」といったバラード風な曲がいい。朗々としたメロディーにちょいと哀感を絡めて、ノスタルジックに歌っているが、改めて聴くとつくづく今はこういう音楽なくなったしまったものだと思う。南佳孝というと最近では某コマーシャルで、ブルージーなアレンジで「ツイスト&シャウト」なんか歌っているが聴こえてきたりするが、今はどんな音楽をメインでやっているのだろう、久しぶりアルバムでも購入してみるか。
南佳孝には夏物が多いが、このアルバムは収録曲にヌーベル・ヴァーグからアメリカン・ニュー・シネマの名作のタイトルを拝借した南佳孝が青春時代に遭遇しただろう映画へのオマージュみたい内容で、やはりというか当然というべきなのか、「水の中のナイフ」「避暑地の出来事」といった夏をイメージさせる作品が多い。南佳孝という人は、キザでちょいとヤクサなムードとポップさがほどよくブレンドした作品を80年代に連打して愛聴していたものだけど、このアルバムは彼の「映画への想い」みたいなものがよほど強かったのか、彼流のキザなノリや時流に迎合し過ぎたポップ感覚が影を潜め、かなり重厚な仕上がりになっている。それゆえに当時はあまり受けなかったようだが、そうした音楽であるからこそ、今聴いてもほとんど時代的な誤差を感じないものになっているのも確かだ。
曲としては、「突然の炎の如く」「水の中のナイフ」「避暑地の出来事」といったバラード風な曲がいい。朗々としたメロディーにちょいと哀感を絡めて、ノスタルジックに歌っているが、改めて聴くとつくづく今はこういう音楽なくなったしまったものだと思う。南佳孝というと最近では某コマーシャルで、ブルージーなアレンジで「ツイスト&シャウト」なんか歌っているが聴こえてきたりするが、今はどんな音楽をメインでやっているのだろう、久しぶりアルバムでも購入してみるか。
最近の南佳孝の活動はよくわかりませんが、TBさせてもらった2枚組みベストは、なかなか充実してましたよ。「Last Picture Show」からの曲も収録されています。