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ゲッツ&マクファーランド/黒いオルフェ

2005年08月24日 20時22分21秒 | Jobim+Bossa
 ビッグ・バンドによるボサ・ノヴァをもう一枚。ゲイリー・マクファーランドという編曲にビッグ・バンドを擁したスタン・ゲッツ名義の作品ですが、奇遇にもこれも62年の制作。レーベルはヴァーブだし、メインはスタン・ゲッツですから、恐らくは「ジャズ・サンバ」のヒットを受けて企画された作品なんでしょう。昨日とりあげた、クインシー・ジョーンズのアルバムは、音楽的な良否はともかくとして、あまりボサ・ノヴァに聴こえないのが難点といえば難点でしたが、こちらは紛れもなく正統派のジャズ系ボサ・ノヴァです。なにしろボサ・ノヴァでなかったとしても、それ風なリズムにスタン・ゲッツのサックスが絡むと、ともあれ「役者が揃った」感じがするのはやはり、一連のボサ・ノヴァ・アルバムを残したスタン・ゲッツのオーラみたいなもの故ですかね。

 スタン・ゲッツという人は、クール・ジャズ出身ということで、文字通り割と温度感の低い、あまり熱くならないサックスというイメージがあって、割とそういう部分とボサ・ノヴァがマッチしたみたいな云われ方がするんですが、いまひとつ、この人のフレージングは時に非常にメランコリックな哀愁を色濃く漂わすところもボサ・ノヴァと相性のいいところだと思います。このアルバムは冒頭から「カーニバルの朝」から始まりますし、「ノー・モア・ブルース」もミディアム・テンポでどっちかという物憂げなアレンジをしているせいか、このアルバムは「メランコリックなスタン・ゲッツ」のムードが強い。

 また、ゲイリー・マクファーランド編曲によるビッグ・バンドは、昨夜聴いたクインシー・ジョーンズ的なイケイケ的な賑々しさはなく、ギル・エヴァンス的を少し分かりやすくしたような理知的な響きというか、渋い色彩感のような印象的なので前述のメランコリックさを倍加させているのもかもしれません。なお、ピアノはハンク・ジョーンズでこういうところに登場するのは意外ですが、例によって格調高いカクテル風ピアノ、ついでにもっと意外なのはアコギがジム・ホールという点、冒頭の「カーニバルの朝」からサンバ風なギターを神妙に弾いているのを聴くのはなかなか楽しいものがありますね。
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