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年末の第9といえば「新世界」?

2005年12月30日 22時30分48秒 | クラシック(一般)
 年末で「第9」とくれば、いうまでもなくベートーベンの交響曲第9番「合唱」のことだが、個人的には年末聴きたくなる「第9」は、もうここ20年くらいドホルザークの交響曲第9番「新世界」の方だ。どうしてそうなってしまったのか、今ではよく覚えていないだけれど、かの曲に横溢する望郷の念だとか、後半の切迫感だとかが、帰郷ラッシュを迎える今の時期に妙にシンクロしているのかもしれない....など思ったりもするのだけれど、これは多分後付けの理屈だろう。ともかく、年末に聴きたくなる「第9」は自分にとっては「新世界」なのである。
 で、この「新世界」だが、数日前にCD棚を探したところ、セル、クーベリック、カラヤン、フリッチャイ2種(ステレオ&モノラル)、ケルテス、小澤の7種類が出てきた。ここ数日、あれこれとっかえ聴いている最中なのだが、きわめてポピュラーな曲だけあって、おもしろいように指揮者の個性が出てくるので、聴き比べはなかなか痛快だ。少しだけメモしてみたい。

 この中で一番オーソドックスなのはやっぱお国柄かクーベリックだと思う。旋律の歌い方もごく自然だし、テンポやバランスもスタンダードでとにかく安心して聴けるという感じ。ケルテスはハンガリー流に鋭いアクセントのリズムと若々しい表情がマッチしたフレッシュな演奏。カラヤンのは70年代のEMI盤だが、当時のカラヤンらしい気味悪いくらいに滑らかでスムース、そしてドイツ的に重厚な仕上がり。セルはSACD盤で引き締まったアンサンブルとベタベタしない禁欲的な歌い回しがいかもセル&クリープランドらしい。最初聴いた時は「ここまで引き締めちゃう息がつまりそう」などと思ったものだが、久しぶりに聴いたら、これはこれでありかなと思った。なにも演歌の如く歌うばかりがドボルザークって訳でもあるまいし。小澤はセルをさらにリフレッシュしたようなさっぱりあっさりした演奏という感じだ。フリッチャイの2種については個人的に「新世界」の決定版という評価がこのところ続いているのだが、これについては2005年オーラスの明日にでも、暇があったら書いてみたい。



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